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2005年11月、九州ではじめてタデ原湿原がラムサール条約登録湿地になりました。これを記念し、九重ふるさと自然学校では活動の中心となる九重の自然の保護保全や湿原の保護活動のあり方などを考えるシンポジウムを九重の自然を守る会と共催で開催しました。

ラムサール条約登録記念の集い
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去る11月、国際的な水鳥類の保護と湿地の保全を目的にしたラムサール条約に「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」が登録されました。
それを記念し、2005(平成17)年11月19日(土)、「ラムサール登録記念の集い」と銘打つミニシンポジウムを大分県玖珠郡九重町飯田高原の九重ハイランドホテルで開催しました。この集いは、長年にわたって「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」の保全活動を続けてきた環境保護団体「九重の自然を守る会」とセブン-イレブンみどりの基金が共催して行われました。

当日は、午前中に「ラムサール条約登録記念式典」がタデ原湿原を一望する長者原ビジターセンター前で行われましたが、式典の参加した方々がそろって午後からの「集い」にも出席され、非常に盛況なシンポジウムとなりました。国際的に注目されている条約だけに、地元農業高校の生徒・ホテル観光関係者の方が多く来場くださるなど、自然保護活動に携わる方だけでなく、一般の関心を広く集めたことが伺われます。

開会の挨拶ののち、まず最初に、ラムサール条約の説明および条約会議現地視察報告を、環境省自然環境局野生生物課長名取芳博氏からいただきました。「ラムサール条約は、湿地・動植物の保全だけが目的なのではありません。賢く人間が湿地を管理し、また利用していくことを推進するものなのです」という「ワイズユース(賢明な利用)」の理念を紹介してくださいました。
「ワイズユース(賢明な利用)」とは、持続可能な利用のことで、湿原の持つ機能を維持しつつ将来に渡ってその恩恵を享受していくことです。「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」の豊かな自然環境は、地域の牧畜業のために牧草を採取・野焼きを定期的に続けることで維持されてきました。人間との関わりを続けながら湿原を次代に受け継ぐことが「ワイズユース」なのだ、というお話でした。
また、今回までに登録された湿地は世界中で1,639箇所、締約国数も147カ国になり、日本国内では新たに20箇所増えて33箇所、合計面積は84,089haと飛躍的に増え、今まで以上に広域的な保護活動のネットワークが期待できます。他の登録地の写真をご紹介下さった時には、美しい自然の情景とともに、多様な生物環境のあり方と保全活動の広がりに感嘆の声が会場に沸き起こりました。

次に、九重の自然を守る会高橋裕二郎氏から「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」の管理についてお話いただきました。地域の力を集結し、一時途絶えていた野焼きの作業を復活したいきさつを、方言を交えながら親しみ深い語り口調で披露してくださいました。自然風土に根ざした地域の視点で持続的に守っていくことの大切さを、会場にいる参加者全員で改めて感じ入ることができました。
地域は今、高齢化が進み管理の担い手が不足する傾向にあるそうです。野焼きという作業は火を取り扱うことから危険が伴うため、作業に習熟した後継者の育成が課題である、とのお話でした。

さて次は、一足先にラムサール条約登録地となった霧多布湿原から、認定NPO法人霧多布湿原トラスト事務局長伊東俊和氏をお招きし、登録推進地の現状についてご報告いただきました。
保全活動の始まりをふり返り、ナショナルトラスト運動を推進、環境教育の普及活動拠点として霧多布湿原館を整備されるまで数多くの困難を克服、今では地域社会と一体となった湿地保全活動・エコツーリズムに発展してきました。外国からの視察団と地域の小中学生との交流を行うことで、自然保護活動にとどまらない多面的・総合的な学習の場を地域に提供できているという報告に、九重の地域の方は、ラムサール条約登録地としてのまちづくりや次世代を育む教育のヒントを得ていたようです。

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続くパネルディスカッションでは、コーディネーターにみどりの基金秋山理事をおき、パネラーを名執氏・高橋氏・伊東氏にお願いし、充実した談義を行いました。
会場からは、「グリーンツーリズムを推進している立場から最近考えていることだが、教育の観点をもって自然保護活動に取り組んではどうか」という声が上がっていました。また、「今回の登録をきっかけに、地域が見過ごしがちだった身近な自然を再評価し、国際的な評価に耐えうるような活動へと盛り上げて行きたい」「他のラムサール登録地と連携して渡り鳥の調査をするなど、ネットワークを構築しようではないか」という積極的な意見・提案が出てきました。



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