セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

 ホームへ戻る

 

文字サイズ
活動のご紹介

「ドイツ環境なるほど紀行」 連載-第6回- 森のようちえん1 〜ある1日〜

→バックナンバー

海外研修
コンテナと朝の集合場所
(写真提供:重栖さん)

「森のようちえん」と聞くと、何を思い浮かべるだろう。森の中にあるようちえんや、野外活動の一環として森で遊ぶようちえんだろうか。でもドイツの「森のようちえん」は、ちょっと違う。立派な校舎もなければ、職員室もない。子どもたちは、雨の日も晴れの日も毎日森に通い、森の中で過ごす。その名のとおり「森そのもの」が幼稚園なのだ。

森の幼稚園は、もとはデンマークで1950年代半ばにはじまった取り組みである。ドイツに入ってきたのは1968年。現在ではドイツ全国に400以上の森の幼稚園がある。「子どもを森の中で育てたい」という想いのもと、父母によって運営されている幼稚園がほとんど。今回訪問する、マインツ市近郊の森の幼稚園も、地域の保護者が中心となって始めた幼稚園で、現在は行政の認可を得ているそうだ。

海外研修
今日の遊ぶ場所を投票中
(写真提供:阪本)

海外研修
透明の筒に、ビー玉を入れる
(写真提供:阪本)

子どもたちは毎朝、森の入り口近くに集まる。小さな広場にコンテナとトイレがあった。コンテナの側には、木でできた小さな椅子が丸く並べてある。子どもたちが椅子に座ったら、今日の幼稚園のはじまりだ。まずは今日のリーダーが、その日の遊びや歌を決める。リーダーには毎日、子どもたちが交代でなる。今日のリーダーが考えた遊びは、鬼が後ろを向いている間に、毛布に隠れた友達を当てるゲームだ。大人から見ると、残っているメンバーの顔ぶれで、誰が毛布に入っているかわかりそうなものだけれど、みんな楽しそうに当てっこしている。

ゲームが終わると、今日の遊ぶ場所をみんなで決める。その決め方が、実に民主的!12枚の絵を先生が地面に並べると、リーダーがその中から5枚の絵を選ぶ。12枚の絵には、70ヘクタールもある森の中のいろんな遊び場所が書いてあるようだ。蛇の絵や、お城の絵、蛙の絵など、いろいろある。いったいどんな場所なんだろうと、絵を見ているだけでも楽しくなってきた。
子どもたちは、1人1個ビー球を持っていて、今日遊びたい場所へ投票するのだ。誰が何に投票したか、どの場所が人気なのかは、しっかりと隠されている。そして厳粛なる開票の結果、今日は2つの遊び場所が同点。さてどうするのかな・・?と思ったら、なんと決選投票。そこまでやるのか〜と、研修生から驚きの声があがる。ドイツの国民性はこんなところから育っていくのだろうか?日本で3歳の子どもに決定権をゆだねる機会がどれくらいあるのだろう、と思わず自分の幼少時代を振り返る。

海外研修
今日の場所の到着!
(写真提供:阪本)

海外研修
セーフティストップが
ついているナイフ
(写真提供:小野さん)
行き先が決まったら、いよいよ出発だ。子どもたちのペースで5分くらい歩くと、すこしひらけた場所にでた。どうやらここが目的地のようだ。誰かが指導するわけでもなく、子どもたちは思い思いに遊び始めた。小さなのこぎりで地面に落ちている枝を切る子、セーフティナイフ(刃の中央部分のみ切れるようになっていて、持ち手にセーフティストップがついている)で木を削る子、ツリーハウスで遊ぶ子、木の実や葉でお料理ごっこをはじめる子、枯葉にくるまる子、ネトネトする実を手につけて遊ぶ子・・・。13名の子どもたちと一緒になって遊びながら、私たちもドイツの森を満喫させてもらった。

しばらくすると、お弁当の時間。先生が持ってきた水で手を洗うと、子どもたちは好きな場所に座って、持ってきたお弁当を食べ始めた。食後に、みんなで歌を歌ったら、もう帰る時間だ。ドイツの幼稚園は午前中のみで終わり。朝集まった場所にみんなで歩いて戻ると、パラパラと子どもたちの父母が迎えに来た。急に泣き出した男の子がいたので、けんかでもしたのかな、と思ったら、どうやら「もっと遊びたいのに、お母さんが早く迎えに来ちゃった」とのこと。子どもたちは、森のようちえんが大好きなのだ。




このページの先頭へ
ご利用にあたってプライバシーポリシー
Copyright(C) 2000-2019 Seven-Eleven Foundation All Rights Reserved.