セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

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活動のご紹介

環境ボランティアリーダー海外研修

2005年(平成17年)第7回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想 川の応援団
柿内 聡美さん

私は今まで、活動が楽しくて、人との触れ合いが大好きで今まで活動を続けてきました。しかし、この研修に参加する事で「自分の考えがいかに甘かったか。そして、自分の目標はなんだろう」と考えることが出来ました。初日の夜は、ずっと「この研修で何を学びたいか、そして、今後の活動の目標はなにか」を考えていてほとんど寝られませんでした。右田さんや内藤さんは、自然が大好きで、それを子ども達に伝えたいという思いで参加していました。「私がこの活動を続けているのではなぜだろう?」と考えたら、それは、やっぱり、「楽しかった、そして今までと違う世界と出会いとてもワクワクした。そして、もう一度家の前の川で遊びたい」という事です。私の家の前の川は、今では市が「ほたる館」を作るなどとても活動がさかんな地域です。しかし、蛍が飛ぶことが優先され、川で遊ぶということが出来なくなっています。私が川に入るための手段だった川への階段は取り外され、護岸は雑草などが生えると一掃清掃のようにきれいになくしてしまいます。その光景を見たとき、なんでこんなにも自然を無くすのだろうと思いました。私が小学生だった頃の自然を戻したい、と強く思います。ですが、今の私ではなにも出来ません。ですから、いろんな勉強をしたいと思います。まずは、ワークショップなどを通してパートナーシップのやりかたなど私にない部分を多く吸収したいと思います。私は大学の頃からワークショップに参加して、いろんな人に出会い、元気をもらしました。それは、又明日からがんばろう!というパワ−を私に与えてくれ、そして仲間を私にくれました。なので、私はこの元気を与えてくれる場でいろんな人と出会いたい、そして、このような場所を多くの学生に伝えたいと思います。今までは、ワークショップやオープンカレッジはなどの活動は、それをしたいからするという感覚でした。つまり、それを行うことが目標だったのです。しかし、これからは、元気を与えてくれる場所をいろんな人に伝え、そして仲間をたくさん作りたい、という目標をもち、その手段として、ワークショップやオープンカレッジを行いたいと思います。目的と手段ということに気づかせてくれた秋山さんにとても感謝しています。そして、この研修での私の目標。それは「リーダーとして自分にない必要な要素を見つけ、身につけたい。又、ボランティアへの参加を促す方法を学びたい」です。ニュージーランドで出会った人々、そして、研修で出会った方は夢を持っていて、とても生き生きしていました。私も彼らのようになりたいと思います。夢をみつけて、さらに元気になって日本に帰りたいです。そして、笑顔で「勉強してきました。とても良い研修でした。」と日本で待っている人たちに伝えたいです。

研修は、行く前から「かなりハードだよ」とは言われていました。その言葉どおり、とてもハードでした。初日は、現地時間9時にオークランドに到着しました。時差の関係で、寝不足気味での1日の始まりとなりました。現地ガイドさんと合流し、まずカウリ博物館へ行きました。カウリは、ニュージーランドに元々あった在来種の木で、移住してきたイギリス人によってほとんどが伐採されてしまったそうです。とても大きく、硬い木で、柔軟性に富みます。木そのものもとても大きく、考えられないほどの大きさでした。博物館には、カウリの木の展示やその時代背景の人形・農具など人間の生活とカウリの歴史を一度に学ぶことができるようになっていました。博物館のスタッフは、ほとんどがボランティアだそうです。話しを聞いたマーガレットさんは、「ボランティアで大事なのは第一に楽しむこと!」だと言われました。そして、きちんとした指導が必要だとも言いました。この部分は、本当に共感できる部分で、本当に楽しくなくては、人は集まらないし、又自分もつまらないと思います。ここでの私が一番学んだことは、ボランティアの募集の方法です。ボランティアの募集は広告での公募で、応募の仕方は、「○○が出来るようになりたい人募集!」というようなやり方だそうです。たとえば、外国人と話ができるようになりたい人=レジ係り、人と話が出来るようになりたい人=館内の案内人などです。そして、ここではボランティア終了後には認定証が渡されます。その認定証が、次の仕事へのキャリアアップになるそうです。単に、ボランティア募集とするより、その活動をすることにより、具体的に何を学べるのかを前面に出すと、より人々の興味を引くのではないかと思いました。そして、なによりその物が大好きなことが当たり前ですが当然だと思いました。ここでは、地元の人々がみんなでカウリという木を大切にしている事を感じることが出来ました。そうでなくては、博物館の展示物は集まらないと思います。博物館にあった、琥珀色のもの(カウリの樹脂が固まったもの)は、みな地元の人々方の寄付だそうです。地元の人々みんなが自分たちの資産の大切さに気づくということはとても大きなことです。ここでのボランティアというのは、次の段階へのステップアップの場所であり、なにより、その活動を楽しんで行っていると思いました。

次に、プ−ホイ川で活動しているというフィッシャーさんを訪れました。彼の団体は、会員が70名で会議は月1、活動は年に2回ほどといいます。取り組みとしては、(1)ポッサムの駆除。(ポッサムというのは、いたちの仲間で、木の新芽ばかりを食べてしまい、木が死んでしまうのでとても嫌われています)、(2)パウダー状の泥による侵食などの川のケア、(3)ヘリコプターなどで大量にまいた肥料などの大雨による川への流出対策の3点を行っていました。3番目の具体的な対策としては、動物よけのフェンスの設置、フィルターの役目をするフラッグという植物を植えることです。ここで学んだことは、活動を大きなイベントにするということです。イベント化することにより、人々はボランティア活動とは違った捉え方をするかもしれません。NZの川に必要なものは、家畜から川を守るフェンスやフィルター、影の3つだと言われました。日本にとっての川というのは、生活の一部であるけれど、ニュ−ジーランドの人々にとっての川とは、レジャーだそうです。しかし、マオリ語で川のことを「ワイ」と呼ぶそうです。なので、マオリ族は川の精霊みたいなものを信じていたのだろう。よって、自分たちもあえて川のケアを「ワイケア」と呼ぶこともあるそうです。ここでは、文化の違いを改めて感じさせられました。日本とマオリの人の考え方は共通する部分があるのかもしれないと思いました。国が違えば、同じ川という大きなものに対しての捉え方も異なるのだと改めて感じました。

研修2日目は、IPCでの環境保全に関してのスティーブ先生の講義から始まりました。ニュージーランドの生態系の歴史の話から始まりました。ニュージーランドには、昔哺乳類はいなかったこと、人間が持ち込んだ動物によって、元々あった自然が壊されてしまったことなど、とても細かく教えていただきました。先生は、学生とともに鳥や虫の保護活動に出かけるそうです。写真に写る学生は、どれも楽しそうでとても生き生きしていました。どうやったら、あのように若い世代が集まって楽しく活動できるのかを知りたいと思いました。ジェーンさんからは、ニュージーランドのゴミ活動についての説明がありました。全てボランティアで行っている「ごみゼロ活動」というのがありました。1年に3回、家にある不要な家具・電化製品などを持ちこみます。ニュージーランドには、とてもごみ箱が多いのが印象的でした。そのおかげで、日本のようにゴミをポイ捨てする気にならならず、又、捨てていても周りが注意する姿勢があるそうです。町の人みんなが、自分たちの町を大事にしているのだなと感じました。それは、今までに開発などで無くなってしまった自然を体験しているからこそ、環境に対しての思いが強いなのかもしれません。

研修3日目は、外来種の駆除活動と植樹を行っているクリスさんです。ここでは、とてもびっくりすることばかりでした。外来種は徹底的に嫌い、除草剤をまいて駆除していました。除草剤を使うことに危機感はないようで、とにかく、外来種の駆除が一番でした。その後に訪れたカフテラワバックトラックでは、全く外来種の除去がされてなくて、とても不思議でした。アザミナや、つるなど日本ではなんともない植物がニュージーランドでは外来種としてとても嫌われているのにびっくりしました。夜のEMNとの交流会で、「ニュージーランドの人々にとって、一番関心のある環境問題はなにか?」という質問を何人かの方にしました。すると皆一同に「在来種の保護・外来種の駆除」という答えが返ってきました。この答えで、今までの疑問がすごく解消されました。ニュージーランドにとって、温暖化や森林の減少よりも問題なのは、在来種の減少であり、それをいかに守るか、そしてその敵となっている外来種の駆除をしているのです。自分たち後から来た人間が元々あった環境を壊してしまったからこそ、失いつつある自然を守りたいという強い気持ちが現れているでしょう。その気持ちが、ニュージーランドの人々みんなに共通してあるのはとても圧巻です。交流会の際に、活動について話をしていただきましたが、みな植樹で植える植物は在来種にこだわっていました。ただし、松の木を植樹で使用するのは、松は成長が早く育ちが良いから、外来の動物である羊や牛は、それでニュージーランドは今お金を得ているのだから仕方のないことだと言われました。交流会の際に、様々な立場の人をコーディネ−タ−としてまとめたエディさんに「様々な立場の人々をうまくまとめるコーディネ−タ−に必要なものはなんですか」とたずねたところ、「(1)人の話をよく聞くこと (3)相手の気持ちを受け止めること。そして、その気持ちを踏まえて、では、どうしたら良いかというこれからどうするのか、というのを導き出していく」事が必要だと言われました。一種のカウンセラ−のようなものだと言われました。確かに、ネットワ−クを作る際に自分の気持ちだけを主張する人とは付き合いたくないと思います。逆に、自分の思いももちろん話し、そして、相手の気持ちも分かってくれる人とならよい結果が導き出せるのではないかと考えると思います。これは、普段の人間関係でも成り立つ事だと感じました。今までの自分が100%それを出来ていたかを自問するとはっきりと言えないと思います。人をまとめていくコーディネーター、そしてリーダーとなる人にはとても大事なことだと思います。回りを冷静に見渡せること、そして、相手の気持ちを何より汲み取れることがこれからの私に必要なことだと感じました。

研修4日目は、環境教育や外来種駆除、漁業問題まで幅広く取り組んでいるForest and Birdのドナルドさんにお話を聞きました。ニュージーランドの国民4万人が参加していて、40の支部があるそうです。これだけの規模の団体なので、もちろん有償のスタッフは数名いました。ここですごいと思ったのは、マニュアルの作成です。中には、マスコミへの依頼の仕方、金銭の集め方、新聞の良い書き方などとても細かく説明されていました。なんて素晴らしいものだろうと思いました。ボランティア団体の教科書みたいなものです。ぜひ、日本語訳して読んでみたいと思います。特に、私は今広告などの勉強をしています。いかに、多くの人に手にとってもらえるチラシを作成するか、いかに見やすいプログラムを作るか、勉強したいと思います。ここで、多くのニュースレターなど資料を頂いたので、ぜひ参考にしたいと思います。又、この団体はニュージーランドで最大の環境団体ということでしたが、世代の構成を聞いてみると45歳以上がほとんどで大学生や若者はごくわずかしかいないということです。私と同じ世代の若者が、このような活動に参加しないのは世界共通だと思いました。しかし、これは今後乗り越えなくてはならない問題だと思います。なぜ若者がこのような活動に参加できないのか、それは活動に興味があってもその情報を知る手段が少ないという事も一つの理由に挙げられると思います。どのようにアピールするか、そして、いかにおもしろく企画をするかが若者を呼び寄せる種となるのかもしれません。自分が楽しいと思わなくては、人は集まりません。より楽しく、なにをするかを明確に表せる企画を今後考えていきたいと思いました。

研修7日目に訪れたTiritiri Matangi島はとても素晴らしいところでした。島の計画を学生が作ったという事にもびっくりしました。なにより、島での活動(ガイドなど)をボランティアが行っているという事にびっくりしました。その前に訪れた国立公園とも同じで、自然に人間は足を踏み入れないよう歩道が全て整備されていました。森のなかに入って良いのは研究者のみで、ボランティアも入ってはいけないとのことでした。島は、教育の場としても使われており、とても良い環境学習の場だと感じました。なぜボランティアとして多くの人が島へ入ったのか、それはすごく楽しみがあったからだと思います。島が鳥の楽園となるのを夢見たからこそ、植樹に多くの人が訪れ、鳥を島に放す際はとても多くの人が集まったのだと感じました。そのような、人々に夢を与えることが出来る企画を今後考えられる事が出来る力を身につけたいと思いました。

研修を通しての私の課題は「リーダーとして自分にない必要な要素を見つけ、身につけること」です。これが達成できたか、それは正直半分半分だと思います。私に必要な要素は見つけることが出来たと思います。しかし、これをこの期間に100%身につけることが出来たかとは言い切れません。しかし、そのきっかけとなる言葉は見つけることが出来ました。私に必要なもの、それは「(1)視野を広げること (2)目標を明確に持つこと (3)企画力 (4)正確な知識を身につけること (5)タフになること」です。タフというのは、肉体的にももちろん精神的にも強くならなくてはと思っています。今回の研修の3分の1は体調が優れなかった時がありました。事実、吐いた事は研修中3回ありました。それは、食べ物が合わなかったこともありますが、精神的に私の許容量を超えて参ってしまったこともあります。ですから、もっとプレッシャーに強くなりたいと思います。この研修は、一言で感想を伝えると「きつかった。でも楽しかった。」ということです。今まで深く考えたことがない目標・今後何がやりたいかということに対してとても考えました。私の頭がパンクしてしまうほどです。しかし、この研修でそれを考えた事でなにか自分が変わったような気がします。今後に対しての展望、目標、今の自分が何をしなくてはならないのかということが明確になりました。今までは、どこかで受身体制になっていたと思います。それでは、先には進めません。今回自分にないモノを身につけ、人をひきつけられるような存在になりたいと思います。そのためには、まず自分が楽しむことです。自分が楽しいと思える活動、それを企画できるよう成長したいと思います。自然というとても大切なものに多くの人にきづいて欲しいです。

私は、企画の裏方と呼ばれる事務局的な仕事を今まで行ってきました。それにやりがいも感じていました。裏方なりの、企画が上手くいくようなスケジュールの組み方、会場の配置など自分なりにがんばって行ってきたと思います。何かを行うときに、リーダーの存在はとても重要です。しかし、それと同じように裏方となる人間も大事な存在だと思います。私は今までそこに役割を見出し、活動してきました。しかし、それだけでは駄目な事をこの研修で気づきました。国が違っても、活動の内容が異なっていても、根底にあるものは同じだと思います。それは、リーダーの熱い思いです。何か行う事を目標にするのではなく、何か目標をきちんと持ち、その手段として行動すること、そして、自分が体で楽しむという事を忘れていたと思います。実際に川に飛び込んで遊ぶこと、体の五感で感じることの大切さを研修で一緒だった方から学びました。日本に帰ったら、いっぱい体を使って遊び、そして自然から学びたいと思います。自然と触れ合う事で、また新しく何かを感じ取ってさらに大きく成長したいと思います。今から、日本に帰って自然の中で遊ぶことがとても楽しみです。



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