セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

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環境ボランティアリーダー海外研修

2011年(平成23年)第14回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想 ESDキッズクラブ
梅田 幸代 さん

1.  訪問団体の活動やマネジメントなど、どの部分を日本のボランティアリーダーとおしていかせるか?

 「リーダーとは?」今回の研修期間中、常に自分自身に問い続けながら10日間の研修に参加しました。そして、常に自分の関係する団体の抱える問題点を解決することをメイン目的として参加しました。
 ドイツには、NABUやBUNDのように、会員45万人規模の団体が2つもあり、自然保護、環境保全に対する大きな影響力をもっている団体があります。政治にも影響力をもつ2つの団体が存在することが、ドイツが環境先進国といわれる理由の1つだと感じました。
 2つの団体を中心に大きな組織を動かす上で大切な要素を講義や質問の中でたくさん教えていただきました。その中で私自身が感じた項目から、今後日本での活動に生かしていくために必要と思っている内容を以下の5項目です。
 (1)組織力、(2)マネジメント力、(3)変化への対応、(4)責任、(5)空気をよむ

 (1)組織力というと個人のリーダーに関係ないように思われますが、組織力をつけるために重要なのが、「コミュニケーション能力」です。団体の協働やパートナーシップの構築を含めています。NABUやBUNDのように団体を大きくするためには、信頼できる仲間で支えあい、それぞれの得意分野を生かしていくことで、周囲を巻き込む大きな力になり、それが周りへの広がり、地域、団体、企業等との連携につながっていくと思います。
 そのためには、十分なコミュニケーションを行う必要があります。ボランティアで協力いただいている方々、寄付いただいた方、関係するすべての人々への感謝の気持ちを伝えること。伝える勇気を持つこともコミュニケーションの1つであり、とても大切なことだと改めて実感しました。しかし、ただ伝えるだけでは、一方的になりがちです。人を動かすには「感動」が大切だと思います。心が動かないと人は動きません。では、心を動かすにはどうしたらよいでしょう?やはり、相手の喜ぶことは何なのか?常に相手の目線に立って考えることで、おのずと何をすべきかわかるようになると思います。つまり、人間的魅力がリーダーには必要と改めて実感しました。
 また、どのような表現で伝えるか。できるだけ写真や絵を十分に活用しビジュアルで伝えることによりわかりやすくなる。プレゼン方法など五感をフルに活用できる方法も有効手段であることを実感しました。
 まずは、常に相手目線で考え、いかに感動を与えるか、見せ方、話し方すべてにおいて、わかりやすく、端的に表現することを意識します。そして、多くの仲間とともに組織力を身につけ、自分が係わっている団体の法人化を目指し、一歩一歩前進していきます。

 (2)マネジメント力は日本のNPOは必ず必要だと思います。お金もなく常勤職員を一人雇うのが精一杯の団体が多い中、ファンドレージング手法を取り入れることにより、より効率よく成果を上げることができることがわかりました。誰に、どのようなアプローチを、いつ行うのか?それがおのずとわかってくるようになります。それにより、人力不足のNPOにとっては、課題解決の一つになるし、効果があがることにより、資金確保にもつながり、新たな発展に1歩近づきます。マネジメントを行う上でのまず第一歩は、顧客が誰なのか?それを常に意識し、あらゆる視点からのマーケティングを行い、分析し、グラフ化、数値化した上で、自分の関係する団体のマネジメントを実施し、人的や資金的項目の成果を具体的、明確化することにより、具体的に検証していきたいと思います。
 また、ミッションを明確化し、真摯に活動を行っていく姿は、必ずまわりに感動を与えると思いますので、リーダーとして常に真摯でありたいです。

 (3)変化への対応について、ドイツでは、大企業で環境配慮していないところに対し、恐竜の模型を送ることがあるそうです。体は大きくても脳が小さいというジョークだそうですが、とても斬新的で衝撃を受けました。私自身もそうならないように、ミッションを遂行しながらも、頭でっかちにならず、世の中の変化に対応できる行動的な人間になります。また、組織が大きくなればなるほど、多種多様な考えをもった人が多くなります。その中で、より多くの共感を得るためにも、しっかりと社会の流れをつかむ必要があります。そのためにも、多くの情報を入手すると共に、感情に左右されず、いろいろな意見に対応できる柔軟な心、受け入れることができる広い心を準備したいと思います。

 (4)責任においては、当然のことだと思われると思いますが、自分が発した言葉、行動すべてにおいて責任持って行動することは、簡単なようで簡単でないと思っています。
 今回の研修の中で、毎日メンバー同士が交代でリーダーを行い、ディスカッションを行いました。自分がリーダーではない時に発する意見は投げかけっぱなしでもいいのですが、リーダーの場合はそうはいきませんでした。とりまとめを行い、方向性を示す必要があります。時には反対派の反感にあうこともあります。しかし、孤独を恐れず進み続け、メンバーをとりまとめ導くこともリーダーとして重要な役割ではないかと実感しました。また、その場の雰囲気づくりもリーダーの役割だと思いますので、その点をしっかり踏まえ、責任を持つ勇気を振り絞って一歩前へ進んでいきたいと思います。

 (5)空気をよむ。これはリーダーとは直接関係なく、個人的に感じていることです。どういうことかというと、同じ言葉を伝えるにも、場の雰囲気やタイミングを外してしまうと、周りの共感を得ることができず、人を惹き付けることができないからです。
 今回のタイトなスケジュールの研修の中で、全体の時間配分を踏まえ、メンバー全員の課題解決のための質問をとりまとめ発表したり、それぞれ積極的に個々で質問している中で、やはりTPOにあわせ、時には信念を貫いたり、周りを配慮したりしながら、メンバーとの絆を深めていくことが大事だと体感しました。
 以上、5つの項目を中心に多くのことを学び、当初の問題解決のヒントをいただくことができました。また、リーダーとして、常にどこに意識をおいて、常に自分に問うべきかを学びました。これを必ず自らの関係団体で実行し、その成果を明確にし、その他の団体にも広く伝えていきます。

2.  研修を通して日本の環境ボランティアリーダーを支援するために、どのような仕組みが考えられるか?

 今回の研修で、森の幼稚園に行き、森の幼稚園の仕組みや現状を教えていただくことにより、基本的教育方針としては、日本と変わりないということがわかりました。しかし、大きな思想感覚が異なることもあり、同様の手法では難しい部分もあります。その点も踏まえて確信したことは、できるだけ幼児の時期にたくさんのことを体感、実践できる経験をどれだけまわりの大人が提供してあげられるかによって、今後の未来が大きく変わってくることです。
 その点を踏まえ、日本の環境ボランティアリーダーを支援、育成するには、今回のような海外研修をもっと若い世代に絞って研修することも根っこからの改革につながると思います。また、環境活動団体に就職したいと思う若者が働く場がないと、やる気向上にもつながらないので、まずは環境活動団体の経済的自立のための指導、マネジメント等、一般的な各項目の講座だけではなく、個別のコンサルタント、指導を行う中間支援組織や財団等が積極的に引っ張って行くといいと思います。その上で、ドイツで実施されている環境ボランティア研修制度のような次世代育成と受け入れ団体の育成につながる制度ができると環境活動団体への社会的認識が変わってくると思います。
 ただ、制度や外郭団体頼りにするのではなく、自らの団体がNABUやBUNDくらいの大きな団体になり、政治にも影響力を与えることができるような存在になり、法律がなくとも、政策や制度制定に関与できるくらいの力をつけるため、もっと貪欲に広報の方法やファンドレージング等、効果が示されている手法を取り入れ実践することが重要だと思いますので、まずは自らの足元から1歩ずつ前進させ、効果的な手法を関係団体に広く周知していきます。

3.  全体を通しての感想

 研修が始まる前からバタバタと慌しく、事前の学習が不十分な点もありましたが、この研修に参加された諸先輩方からのアドバイスや報告により、心構えができ、事前に準備ができていたので、今回の成果につながったと思います。本当にありがとうございます。
 また、今回の研修で一緒だったメンバーの本間さん、川野さん、角屋さん、田村さん本当にありがとうございます。たった10日間の間にこんなに話し合いをして、こんなに信頼できる仲間ができたことを嬉しく思います。グーテンモーゲン。これからもこのご縁を大切に、お互い連携して修造と一緒に、熱く日本を変えていきましょう。
研修の中で何度か出てきた言葉の中で、「感謝の気持ちを伝える」という項目がありました。研修で学んだ「感謝の気持ちを伝える」を生かし、今回の研修に参加させていただき、たくさんの学びとご縁をいただいたことへ、寄付いただいた皆さま、運営に係わられた皆さまへ感謝の気持ちを表すならば、今回学んだことを実践し、その成果結果を報告することだと思います。そして、そこから多くの団体へ普及させ、日本全体が子どもたちの未来のためにもっと環境先進国になれるよう、世の中の流れをうまく生かし、変革を起こしていくことだと思っています。
 ボランティアで担当いただいた講師の皆さま、貴重な時間を割いて貴重な情報をありがとうございました。また、今回お世話になりました通訳の小島さん、母のように暖かく時には厳しくご指導いただき、本当にありがとうございました。ドイツのもう一人の講師のように、小島さんの話からたくさん学びました。たくさんの感動をありがとうございます。小野さんの熱い思い受け取っています。NPOにあるべき姿としてドラッカーを再度見直し、決して忘れないようにします。実行あるのみです。本当にありがとうございました。
 しっかりと結果を出せるよう、今から1歩を踏み出します。




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