セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

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日本の国立公園
日本一早く紅葉に彩られる北海道の屋根 大雪山国立公園
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ごみが呼ぶもの
毎日拾えど拾えどなくならないごみの山(1日の回収分)国立公園や山岳地など人が訪れる場所が共通して抱える問題として、ごみやし尿問題がありますが、大雪山国立公園も例外ではありません。山岳部でのごみは、登山者のマナーで近年減ってきているといわれていますが、登山以外の目的でも人が多く訪れる場所では、近年あらゆるごみが目立ちその量が減らないといいます。ダム湖である糠平湖周辺を拠点とする「ひがし大雪ガイドセンター」や然別湖を拠点とする「然別湖ネイチャーセンター」でもごみの回収から活動がはじまります。特に、人工湖のため釣りなどのレジャーが解禁となる糠平湖で回収されるごみは、飲み物の空き缶からはじまり多様です。

 

凍結した糠平湖にうずもれてしまった焚き火の跡(オイル缶)ひがし大雪ガイドセンターの河田さんは、「ごみがごみを呼ぶので全て回収しなければならない、ごみのない所にごみを捨てるのはなかなか難しいから」とおっしゃいます。また、ごみはごみを呼ぶだけでなく、時にはヒグマも呼び、ヒグマが人を襲うなどの事故につながる場合があります。河田さんは、「ヒグマを狂暴にするのは人間のいたずらによるもの、ごみ拾いは美観のためだけではなく、生態系など自然のシステムを保つためであり、そのためにも清掃作業と啓発活動は今後も続けていかなければならない」と話してくださいました。

 

雪解けとともに現れる人間の忘れ物
石と交じって湖畔に散乱するトイレットペーパーごみの問題よりも、山岳部で近年取り上げられるようになったのは、登山者のし尿、トイレの問題です。道内で最も人が訪れる黒岳(くろだけ)を有する大雪山でも、高山植物の踏みつけなど自然環境に与える影響などが懸念されています。

「山のトイレを考える会」では、北海道内の山岳地におけるトイレの設置・管理状況の調査や一般登山者を対象とした啓発活動などを行う一方、問題解決の方向性を探るフォーラムの開催などを行い、さまざまな方向から解決策を模索しています。2000年(平成12年)から活動を始め、翌年の2001年(平成13年)には北海道としても、携帯トイレの配布やそれに伴ったトイレブースや回収ボックスの設置などを行うようになりました。

 

大雪山のトイレ事情の視察〜炭を使った黒岳での試み〜「山のトイレを考える会」の愛甲さんは、人の生活には欠かせない山のトイレ問題は、 オーバーユースをダイレクトに伝えているかもしれないと話しています。また、トイレの問題は、携帯トイレの利用などといった一つの解決策に絞られるのではなく、自然環境や利用状況、その場所らしさ、維持管理体制などを踏まえて、最適なトイレを検討する必要があると話してくださいました。

現在、山のトイレを考える会では、行政に対する会の提案が具体化されたり、また、行政からの相談を受けるなど、行政との協働の場が少しずつ増えているそうです。愛甲さんは、結局は、トイレをどうするという問題だけでなく総合的に環境問題全般に取り組み、自然環境を後世にどう伝えていくのかが重要とおっしゃっていました。


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