セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

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日本の国立公園
火山と人がつくりだした森と湖のパノラマ 磐梯朝日国立公園
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宝の山の大爆発
堰きとめられて誕生した桧原湖 民謡に「会津磐梯山は宝の山よ」と歌われた「磐梯山」は、周囲を五色沼や桧原(ひばら)湖などの湖沼群と森に囲まれ、美しい自然の姿を見せています。しかし実は、このような現在の姿が出来上がったのは、長い自然の歴史の中では比較的新しいことなのです。

1888年(明治21年)7月15日の朝、突如として磐梯山は爆発しました。この爆発は地下のマグマからの水蒸気や地下水が熱せられて生じた巨大な圧力によって、周囲の岩石を突き破り吹き飛ばしたもので、結果、磐梯山の北側に位置していた小磐梯山を崩壊させました。崩壊した小磐梯山は12億立方メートル、20億トンの岩石なだれとなって、標高1,100〜1,800メートルから750メートル付近の山麓を目指して一気に時速100キロメートルにも達する勢いで流れていきました。そして、この土石流は約44平方キロに渡って広がり、周辺の集落をあっという間に飲み込み埋め尽くしてしまったのです。この爆発をともなった磐梯山噴火における被害は周辺5村におよび死者は477名に達したとされています。

爆発の激しさを伝える火口壁 被害のなかった地域にはブナ原生林が残る この時の噴火による変化は、崩れ落ちた土砂だけではありませんでした。土砂が川を堰き止めてしまったため、裏磐梯高原に多くの湖沼群が出現したのです。桧原湖や秋元湖、曽原湖、小野川湖の堰止湖4湖はこうしてできました。

不思議な彩りの「五色沼」
毘沙門沼 青沼
火山活動が作り出した数多くの湖沼群のなかでも最も特徴的なのが「五色沼」です。「五色沼」は、毘沙門沼、みどろ沼、弁天沼、るり沼、青沼、柳沼など大小さまざまな湖沼群の総称です。それぞれの沼の水がコバルトブルー、グリーン、オレンジ、青白、茶など、変化に富んだ色彩を見せていることから、五色沼と呼ばれるようになりました。

では何が原因で、この水の色彩の変化は起きているのでしょうか。五色沼の色で一番知られる青系の神秘的な色彩の秘密は、水に溶け込んだ成分に関係しています。地下水に溶け込んだ様々な火山性の成分の一つであるアロフェンと呼ばれるケイ酸アルミニウムの内、結晶していない微粒子が、太陽の光線を反射して青く見えているのです。また、その粒子が大きくなる程、すべての光を散乱する結果、沼は白く見えます。

弁天沼 みどろ沼 その他に、地下水に含まれる鉄分が植物の茎に付着して酸化すると、沼は赤色に見えるようになります。また、深泥沼の赤緑色はプランクトンが多いためといわれています。

五色沼の色彩には磐梯山の火山活動が深くかかわっているのです。


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