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環境ボランティアリーダー海外研修

2005年(平成17年)第7回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想 特定非営利活動法人 球磨川水系ネットワーク
右田 いくみ さん

今回のニュージーランド研修に対し、見て聞いて体験した事について驚くような発見があり、また自分自身が以下の事に対し、日本、熊本、球磨川流域に持ち帰る事が出来るか。日を追うごとに想像と、理想、現実とのギャップを知っていく事が楽しくなっていきました。
ニュージーランドは世界で最も美しい国であると理解していました。そして島内の人々が自然豊かな島を大切に守り、ボランティアが日常化されているとイメージを持っていました。それは何故か、どのようにしているのか次第に自分なりの理解が深まり、これはそんなに難しい事ではないのではないか、と思うようになりました。しかし日本における、環境汚染と環境破壊は深刻であり、当てはめて考える事は難しいとは思いますが、今出来る事が見えてきた事はとても大きな成果であったと思います。

ニュージーランドの自然
ニュージーランドは1億8千年前には大陸続きであった。やがて大陸から離れ6千年前は、哺乳類が存在せず島には大変ユニークで貴重な鳥類、爬虫類、昆虫が多く残り世界に誇れるものとなった。危機感の無い時代が、分かるように飛べない鳥としてキーウがその代表と言うべき国鳥である。
1千年前からポリネシア系マウリ族(人間)が住み始めネズミが入ってきた。またヨーロッパ人が入り原生林をほとんど伐採する。牧場にして放牧を始めた。その結果、自然が破壊され、貴重な動植物が絶滅していった(350年前)。当時、人が生きていくうえで、「森の神」と呼ばれた世界一の巨木カウリの木(樹齢1250年、現在は保護されている)を切り、現在のニュージーランドの人口400万人、羊や牛7000万頭という放牧の国が出来上がっていった。
後にカウリ博物館が出来、観光資源となり恩恵と畏敬の念をもちボランティアでもって運営、管理を行っている。資金対策として木工品やグッズの販売、助成金を上手に活用している。基金は定期的に更新されていくシステムがあり、国と民間のパートナーシップが出来ている。多くを切り出したものの誇りを持っているからこそ多くのボランティアの手でこの博物館が守られ楽しまれているのだと思いました。
プ−ホイ川の環境保全に取り組んでいるグループのリーダーに、川の活動について話を聞いた。7年前、川のほとりに暮らす農家の人と地域の人々により話し合いが行われ、自分達で守ろうと独自発案により行政と連携しているという。

保全活動
1)実生の苗木作りから始め、フェンス造り(日本ではアシ科の植物)
2)木々を食べ尽くす、外来種ポッサムの駆除。
3)川筋に木陰を作り、水質保全。
日本の取り組む川の保全対策とは、かなりの違いを感じたが、何をしているかより、どんな気持ちで取り組んでいるかが大切と考える私は、彼の表情で全てが伺えた。参加者の募り方の方法が日本と似ているので(終了後のバーベキュー交流会など)仲間意識が持てて嬉しかった。
海の漁師達との連携は無いと、質問に答えてくれたが、日本のような危機感はまるで感じないほど、まだ豊かなのでしょう。河口に案内され、マングローブが自然発生し、確かな再生を知らせてくれた彼の顔には達成感に溢れていました。
ニュージーランドの環境学を更に詳しく学習した結果、この国は歴史が短く(200年)短期間で環境の変化があった。再生に向けて国民活動が出来るのは、何より人口が少ない事が幸いしている。と言う事に尽きる。
調査データーも取りやすい、行政とのやり取りがスムーズ、おおらかな国民性、NZの国の歴史を理解し、魅力を知り、国のアピールの仕方を知っている。
特質に合わせた市民運動は、美しい国ニュージーランドを観光資源としての意識もあるのでしょう。多くの外国人がNZを体験しにやって来るとしたら、何を見てほしいと思うのでしょうか?故郷の自慢はどこにあるのでしょう。「自然の宝庫ニュージーランド」

ネイティブを守るために
在来種を守り、外来種が入る事を極度に拒否する行動は、カルチャーショックを受けました。入国する祭の厳しいチェックから始まり、講義の中からも、森の中での体験からも、悪としての扱いを知らされました。
在来種の為に、植物に関しては、ためらいも無く除草剤を使用、木々の芽を食べたり、鳥を狙う哺乳類には、仕掛けや有毒の薬を置く。また、あえて外来種を取り入れて、外来種の駆除を行う。生態系を守ることを第一に研究、究明、活動、行動。
人間が自然界をコントロールしているといった、印象が強かった。その後の大量発生に危惧はしないのだろうか?
閑静な住宅地の裏に、Barbers bush という雑木林がある。個人所有の森で、ボランティアグループにより、外来種の除去作業と、植林を行っている。大学生の参加もありコミュニティとしての役割もありそうだ。自然保護の象徴的活動という感じがした。
日本は、清らかな水を生む森づくりが、盛んに行われているが、ここでは、ニュージーランドの原風景を目指している植林活動のようにみえます。
活動全般に感じた事は、目的がとても解りやすい方向性が多くのボランティア参加に繋がっているのだと思いました。メンバーの表情から、この森を愛してやまぬ優しい笑顔がこぼれていて、私達も幸せな気持ちになりました。
リーダーやメンバーの熱心さは、行動を起こさない無関心な日本人より、はるかに立派だと思いました。自然環境を理解し、環境問題に対し危機感を持っているが・・・。言い訳してしまう大人になってはいけない。
Kafuterawa Back Track、パーマストンノースの南部にあるボランティアグループにより5年の歳月をかけて造られたトレッキングコースを歩いた。原生林の中に市が道路計画を立てたが、市民が代替案を提示し、計画変更となり、ボランティアメンバーが陽が暮れるまで道を造り続けたという。
ニュージーランドには、「リソース・マネージメント・アクト法」という環境法が設定され、ここをクリアしないと、ほとんどの公共性のあるものに対しても、個人のものに対しても実施出来ないという。(日本では環境アセスメント法でしょうか)日本との、違いはこの機関がどこよりも優先されるという印象でした。
行政とのやり取りに、膨大な時間を要する日本、行政と民間との間に対立が出来、優先順位が付けられない日本、国民が望んでいる事が、決められない日本。
政治決着は本来の国民の意思とかけ離れてしまう。しかし政治を作り上げている国民。日本とのギャップを感じたが、このRMAを奨励する側、反対する側もあるらしい。
やはり国政府が主導権は握っていると言いつつ・・・かなり難しい話が続いた。
多くの矛盾と、空しさを感じながら、質問を続けた・・・やはりNZの人口の割合が、問題解決に繋がるのだという事に尽きてしまった。
原生林の中、明るい陽が入ったと思ったら、山の上層部には外来種の木々(紙材)が植林され、(しかも外国からの進出)ここにも経済的開発の兆しはあった。

ニュージーランドの夢
ニュージーランド最大の自然保護団体 Forest & Bird Branch and Central Office(56の支部、会員4万人)のリーダーの話を聞くことが出来た。
多くの人を動かす努力と、スタッフの運営の努力は、日本でも同じであるが、NZは目的が明確で、目標を重視した活動は解りやすく行動をおこしやすいという利点を感じた。市部会義や担当者会議でのディスカッションで更に新たな目的が見つかる。
会員数を増やす事への努力は怠らない。会員数が政府への異議申し立てに大きな効力となる。つまり世論を同じ方向に向かせる大きな力となるのでしょう。大きな力は政府の方針も動かせる力となるのでしょう。会員が亡くなったら遺産の一部は寄付されるシステムにも驚かされた。
ワイタンギ条約によってマオリ族が提供した、自然豊かなトンガリロ国立公園を始め、3ヶ所の世界遺産がNZにはある。
トレッキングを体験してきたが、観光客によって破壊を防ぐ為の対策は、砂利を敷いたり、木枠をはめたり、徹底していた。違和感はあったものの、こうして守られるのだと感心したが、もうひとつのコースをトレッキング、大切な原生林の根っこが、ゴツゴツと張り巡っている。削られ崩れている所がある。保護されていない。何故か?これは観光客の集客数によるものという。調査の為、棒に鏡を取り付け鳥の巣を覗く。時々腑に落ちない思いを募らせながら、透き通る美しい湖に出て感動する。
マオリ族の生活文化は、観光地化したRotoruaで、見ることとなった。冠婚葬祭は昔のまま、地熱のある聖地でのシンプルな暮らしぶり。
大地や空、木々全てに神が宿ると考えるマオリ人の現在の生活は、社会進出に積極的に出ている事と、時代の流れによって、大きく変わっていった。「150年前に戻りたい」と言った言葉に、胸が詰まってしまった。
オークランドから北東30km、ティリティリ・マタンギ島は、自然保護地域としてニュージーランドで最も活発な活動をしている。
過去に94%も消滅した森の再生は、たった30年で60%復活した。子供達が植林活動に参加、ボランティアの協力で豊かな森が甦り、かつての鳥達が戻ってきました。
NZで最も多い、ボランティアグループ(Forest & Bird・・・)による、島の復元と保護、運営、研究調査にいたるまで、行政、研究者とパートナーシップをとりながら活動。
絶滅を危惧された鳥達を戻し、島全体で保護している。メディアで大きく取り上げ、公開し、オープンサンクチュアリとした事が成功している。愛らしい小鳥達は、誰にでも大切にされ、更に多くの人々へ自然保護への意識向上に繋がっていった。
島は、外来のペストを絶滅、観光客の人数も制限し、野鳥達に、補助食や砂糖水なども人工的に与えている。植林した木の成長が間に合わず、巣箱も掛けた。
30年前から始まった植林も今年で終了、私達は最後の苗木の、伸びた枝を落とす作業をしました。「この美しい鳥達の楽園を私も作った」という喜びは、二ユージーランドのボランティアの原点をみたようでした。
2千年前にはキーウィは1200万羽いたが、現在7万羽、さらに減少している。ここには絶滅したはずと言われる貴重な鳥達が、観光客を恐れる事もなく、平穏に暮らしていた。絶滅危惧種などは、研究者しか、行く事が許されない無人島に生息させ保護しているという徹底振りに驚いた。
また、無人島の再生を、民間に全て任せていると言う話は、とても興味深かった。イニシアチブを持って、最後まで管理させる国から民間への提供法は、国有林を民間団体が任せられる、分収造林システムや里山制度に、近いものを感じました。
パーマストンノース市長は環境派の市長として誕生した。現在リサイクルとリユーズに力を入れている。ここでも本来あるユージーランドの姿を目指す意見を言われた。エネルギー問題に対しては風力発電を推進しているが、反対派もあるという。
太陽光発電のソーラーシステムは、コストが高いと言う理由で、殆ど見あたらなかったが、質問に対して日本に視察に行きたいと言っていた。 後に聞くことになったが、滞在の日本人の多くは、日本の方がゴミ問題に対して意識が高いと言っていました。
切実な問題としての、オゾンホールの破壊については、危機感の話が無かったのが以外でした。化石エネルギーに頼らない、CO2を出さない努力が今、最も必要なのではないかと、素朴な疑問を持ちました。
自然保護省での話の中に、環境ホルモンの影響や水問題などまったく無かった。また、合成洗剤使用についても無かった。この自然保護省とは、生態系を守る事が最大の目的部署なのでしょう。生態系の中に人間が存在するのですが、自然が豊かで、人口密度が低い美しい平和な国NZでは、人類に対しての危機感は、どれ程感じているのだろうか。
日本人は、現在の環境悪化について、ある程度、綜合的な見方が出来、認識していると思います。しかし、NZ国民のようなボランティア精神での行動力に欠けるのは、何故なのでしょう。
このままではいけないと思っているが、何か大変そう・・・何処かに集合して何かの活動をして・・・時間が無い、仕事が大事、家族にかける時間が大事、体力が必要そう、など理由をつけたら、いくつか有りそう。難しく考えすぎているのではないでしょうか。
自然保護って?子に伝え残していく大人達は、まずは身の回りから始めればよいと思いました。身近な自然の大切さを子供達に、話しかけることです。
日常生活の何気ない会話の中に、自然に生かされている人間がいること。命の源である水の事、ゴミの事、限りある資源、全てが人間に返ってくること。この大切な会話を子供達としましょう。NZの人々のように明るく楽しく、会話しましょう。
ひとりひとりが今出来る、大切な自然保護活動だと思います。

まとめ・私に出来る事
ニュージーランドのボランティアは目的が明確で、行動しやすい。外来種を除き本来の姿へ戻す為の努力は解りやすい。再生させるという目的の活動と行動が一本化出来ているところに多くの人を巻き込める。
その代表的なシンボリックな活動として、ティリティリ・マタンギ島の再生がある。メディアが入り、学校への呼びかけ、イベント化しているところ、成果が見えてくる。可愛い鳥達の保護は公開した事により、大成功している。
私は、NZ研修を体験するまでは、自分のスタンスに迷いは無いと思いたかった。
清流川辺川を残したい思いは、対立する反対運動だけの活動では、多くの賛同が得られない。流域の市民、県民が無関心でいてはいけない。また、国民が国の政策としての巨大公共事業に対して無関心でいて欲しくないと思いました。
身近な自然を体験し、愛する事でさまざまな疑問や問題を知る事になりました。そこで、流域の人々のネットワークをつくり「ダム反対」を声にすることなく、「ダムはいらない」という思いを持ってもらう為に、球磨川の源流水リレーを行ったり、更に不知火海まで輪を広げ「美しい自然を守り残すこと」の統一化をしていきました。
次々と新たな流域ネットワークの立ち上げや植林活動、一斉行動など、啓蒙普及活動に充足感を得ていました。しかし、本当に求めていた事が出来ていなかったのではないかと、この研修で気付く事になりました。

1)失われようとしている故郷の自然について、伝える事の一方通行であった。
2)参加者が、その後、何を得てどう行動してきたか。
3)そのヒントや方法を伝えるだけに留まっていた。
4)具体的に行動してもらうための力不足。

現在までの川辺川ダム建設問題に対する私自身の行動と、球磨川水系ネットワークの活動に満足していた。「やるだけの事はやった」と、しかし自己満足では何も変わらない、先へは進めない。参加した人、賛同した人々の継続性のある満足感を得られなければ、大きな一歩ではない事に気付かされました。
たった、30年で確かに再生してきたティリティリ・マタンギ島は夢を現実のものにしました。仲間達と目指すところに向かって、具体的に提案していきます。

1)流域ネットワークが自発的に立ち上がることへのサポート。
2)球磨川水系ネットワークの理念(ポリシー)の再確認。
3)行政とのパートナーシップにおける「川辺川ダム問題」についての意見交換。
4)「球磨川流域圏学会」の設立に球磨川水系ネットワークの存在位置の確認。
5)行政、環境省への積極的な申し入れと提案
6)「川辺川ダム中止」に向け県知事への申し入れ賛同団体集める。

ニュージーランド最大の環境保護団体の大きな力、効果を知り、実現へのアプローチ方法から学び、球磨川水系ネットワークの広がる市民の輪を、行政を動かす力として活かしていきたい。研修にむけて提出したレポートにあるように、継続していく為の基本は「楽しく」です。ここらしい生き方を楽しんでしまえばいいのだと思います。

とても美しいNZの自然と元気な人々、平和で穏やかな街、日本人が憧れる国は、そのとうりでした。日本も美しい原風景がまだまだ残っています。素敵な仲間達と、私なりのニュージーランド方式を活かしてこれからも、ふるさとの魅力を探ってみたいと思います。



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