立冬


11月8日に二十四節気の「立冬」を迎えました。
暦の上では、冬のはじまりを指します。
立冬らしく、この日の朝(8時時点)で2℃の冷え込みとなりました。

草原に行ってみると、辺り一面が霜でびっしり!大霜でした。
地面の葉っぱは、針状の霜でトゲトゲに。
黄葉したイチョウは霜でキレイに縁取られています。

そんな足元の芸術作品を眺めていると、今度は朝日がさしてきました。
霜に乱反射した光で辺り一面が白く輝きます。
静かで美しい九重の冬がこれから楽しみです。(指原)

テントウムシの集会所


晩秋の晴れた暖かい日。

さとばるの自然教室の壁面に、ある生きものが集まっているのを見かけました。

ツルっとした体に個性的な模様が特徴の昆虫。

ずばり、テントウムシです。

飛んできたナミテントウ
黒い丸は全てテントウムシです

冬の寝床を探しているのでしょうか?

陽射しが当たる白っぽい壁面に、どこからともなく飛んできてはウロウロしています。

ほとんど「ナミテントウだなぁ」と思っていると、ひときわ大きなテントウムシが混ざっていました。

カメノコテントウ

その大きなテントウムシはカメノコテントウといい、日本最大級のテントウムシです。

ナミテントウやナナホシテントウが約8㎜で、カメノコテントウが約12㎜なのでその大きさの違いが分かると思います。

自然学校にいても、このカメノコテントウに出会えるのは年に数回なので嬉しい発見です。

 

寒い冬をテントウムシたちは成虫のまま、どこかに集まって越します。

今回は集会所を発見したので、次は寝床を見つけたいと思います♪(宮本)

冬の始まり


紅葉が始まりつつある飯田高原に
今年も冬鳥のジョウビタキが飛来しました。
今後、ツグミやミヤマホオジロなども
続々と現れることが期待されます。
木々が葉を落とすころには冬鳥も勢ぞろいし、
冬の野山に彩を添えてくれることでしょう。(阿部)

冬の使者・ジョウビタキ

ムカゴ


実りの秋を楽しんでいますか?
畑からはかぼちゃやさつまいも、野山からは栗やアケビなど。
そんな中、毎年楽しみなのがヤマノイモのムカゴです。

たわわに実ったヤマノイモのムカゴ

ムカゴとはわき芽が養分を貯え肥大化したもので、
地面に落ちると種子のように芽を伸ばして成長し、新しい個体になります。

種子との違いは、種子が子ども(有性生殖)だとすれば、
ムカゴは親の体の一部、クローン(無性芽)です。
植物の中にはヤマノイモのようにムカゴを作るものも多く、
種子とムカゴの両方で繁殖するように進化した、戦略家たちです。

相撲の軍配のようなヤマノイモの果実。この中に種子が入っています。

ヤマノイモのムカゴはイモの部分の食感と似ていて、
生だとシャキシャキ、加熱するとねっとりほくほく。
植物の進化の恵みに感謝しながら今年も美味しく頂きました。(川野)

アゲハと越冬


10月に入り、日中でも肌寒さを感じるようになった飯田高原。

秋が深まるにつれ、昆虫たちの姿が少なくなり寂しさを感じていましたがつい先日、アゲハ(アゲハチョウ)の幼虫を発見しました。

アゲハの若齢幼虫
鳥のフンに擬態していると言われています

見つけたのはイヌザンショウという木。

アゲハの幼虫はミカンの木でよく見ることがありますが、自然学校では同じミカン科のサンショウやイヌザンショウの木で幼虫を見ることができます。

 

それにしても、寒くなってきたのにまだ幼虫。

その上、卵から出てそれほど日が経っていない若齢幼虫…。

「冬はどうするの?」と問いかけたくなりますが、アゲハはサナギの状態で越冬するタイプのチョウです。

 

これから葉が落ちるまでの間にもりもり葉を食べ、脱皮を繰り返し、サナギになって飯田高原の厳しい冬を越します。

次の春まで、彼らのおよそ半年にわたる成虫への道はまだまだ始まったばかりです。(宮本)

アゲハの成虫