初夏の落とし物


この時期、散策路上には木の葉を巻いたものが所々に落ちています。

丁寧に巻かれたクリやケヤキの葉。

この落とし物の持ち主は「オトシブミ」という虫の仲間です。

中には卵が入っており、「ゆりかご」や「揺籃(ようらん)」と呼ばれます。

△オトシブミのゆりかご

 

落ちていたゆりかごの上を見てみると、せっせと葉を巻いている彼女らに出会えました。

ゆりかごを作っているのがメスで、メスに乗っているのがオス。

こんな小さな虫が自分より大きな葉を丁寧に巻いているのだから驚きです。

一方、オスはというと他のオスからメスを奪われないように見張っています。

ここに他のオスが来ると取っ組み合いのケンカをはじめるのだとか。

△ゆりかごを作るオトシブミ

 

そしてゆりかごの中で産まれた幼虫は包まれていた葉を食べ、成虫へと育っていきます。

まさに「小さなムシの大きな世界」ですね。(宮本)