キアゲハ飼育記


7月のとある日、園内を散策しているとキアゲハの幼虫を見つけました。

キアゲハの幼虫は黄緑色に黒やオレンジ色の模様が入った独特な体色をしており、飯田高原ではハナウドでよく見かけます。

市街地でもパセリやニンジンといったセリ科植物を食べている様子を見ることがあります。

キアゲハの幼虫

せっかく出会うことができたので、来園者の皆さんにも観察してもらおうと飼育することに。

屋内に連れてきても相変わらず、むしゃむしゃとハナウドをほおばっていました。

ハナウドの種子を食べる様子

飼育を始めて数日後、幼虫は落ち着かない様子でケージ内を歩き回っていました。

これはもしや…?と思ったら案の定、翌日には前蛹に。

前蛹とは、幼虫がサナギになる直前の状態のことです。

糸をうまく使い、体を固定しています

そして、その1日後には緑鮮やかなサナギになりました。

サナギになることを蛹化といいます

ここでサナギになったからと安心はできません。

チョウが成虫になるまでには鳥や虫などによる捕食、菌やウイルスによる病気、寄生バチなどによる寄生など多くの試練が待ち受けています。

その中でも「寄生」は飼育下でも頻繁に起こり、「サナギから違う虫が出てきた…」なんてことも少なくありません。

 

ドキドキしながらサナギを見守って11日後、サナギは立派なチョウへと羽化していました。

キアゲハというだけあり、ナミアゲハに比べて黄色味が強いなと感じられます。

羽化したてのキアゲハ 
夏型のメスでした

青空に飛んでいく姿を見送って、ホッと一息。

無事に生き延びて、次の世代へ命を繋いでほしいと思います。

 

小学校は現在、夏休み。

自由研究として、昆虫の飼育に挑戦するのも面白いかもしれません。

そこにはきっと驚きと発見、感動があるはず!(宮本)