同名異種


ヤマトシジミ。
この名前を聞いて思い浮かべるのは…
貝ですか?それともチョウですか?

生きものとしては別のグループなのに名前は同じ。
このようなものを日本語で「同名異種」と言います。
その代表の一つがヤマトシジミです。
この同名異種の生きもの、実は他にもたくさんあります。
・サワラ(魚類・植物)
・センブリ(昆虫・植物)
・ミヤマクワガタ(昆虫・植物)
・ホトトギス(鳥類・植物)
・カマツカ(魚類・植物) などなど

皆さんの中ではどちらの生きものの方が馴染みがあるでしょうか。
名前だけ言われると、どっちを指しているのか混同しそうですね。
それぞれの生きものについて調べてみると、どちらの命名が先なのか、そのルーツを探れそうです。

さて、九重で「ヤマトシジミ」と言えばチョウです。
このチョウの幼虫は身近な草花のひとつ、カタバミを食べて成虫になります。
カタバミは道路端や人家の周りなどに生えるので、都市部でもこのチョウを目にすることは多いはず。
しかし、自然学校のフィールドではカタバミが意外に少ないのです。
久々のご登場にちょっと胸躍りました。

ヤマトシジミ。大きさは約2cmと小さい
ハートの組み合わせが可愛いカタバミの葉

ちなみに、貝のヤマトシジミは、河口など淡水と海水が交わる汽水域に生息する二枚貝です。
チョウの「シジミ」の名は、羽の形がシジミ貝に似ていることがその由来と言われています。(指原)