セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

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日本の国立公園
太陽と月と地球の創作芸術”鳴門の渦” 瀬戸内海国立公園
ページ|123

一汐に月引き落とす鳴門かな   芭蕉

江戸時代、いや、万葉の昔から、その豪快さや不思議さで人々を引きつけてきた「鳴門の渦」。大きいものでは直径20m、中心の深さは1.5mにもなるという渦潮。その自然の不思議を探りに、今回は鳴門がある瀬戸内海国立公園におじゃましました。

上から下から渦を見る
徳島県鳴門市の北西、わずか1.3km向こうに淡路島を望む、ごく狭い海峡が、大渦で有名な鳴門海峡です。

この渦を見るスポットですが、船や展望台はもちろん、橋や山の上など、実にたくさんあります。船にしても、甲板から見たり、水中から見たりとさまざま。今回は鳴門海峡にかかる大鳴門橋から渦を見学しました。1985年(昭和60年)に完成した大鳴門橋は全長が1629m、鳴門と淡路島を結んでいます。

観潮船から無数の渦を見る

基礎データ
地図
指定日
:1934年 (昭和9年) 3月16日
面積
:66,934ha (2014年3月31日現在)
年間利用者数
:4,029万人(2012年度)
関係都道府県
:兵庫、和歌山、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡、大分
掲載記事は2000年 (平成12年) 11月取材当時のものです
もくじ
渦の道にあるガラスの床。みんなおっかなびっくりで渦を見学
渦までは45m。ガラスの上に立つと足が震える

その下部には、今年4月にオープンした遊歩道「渦の道」があります。渦の道から海面までは45m、眼下に迫力ある渦潮を見ることができます。この日は平日でしたが、大きな渦ができる大潮の日とあって、たくさんの観光客が訪れていました。実際に渦の道を歩いてみると、なかなかスリルがあります。とくに床がガラスになっている部分にはみんな尻込み。強化ガラスでできていますから、2人や3人の人間の体重くらいでは、ビクともしないのですが、それでも上に立つ人はなかなかいません。こわごわ覗くと、そこには鳴門の大渦。まるで海上を飛んでいるかのように錯覚をしてしまいます。渦をよく観察すると、いくつもの渦があるのがわかります。大きなものから小さなものまで、潮の流れの音もすさまじく、形はまさに千変万化。生まれては消え、消えてはまた渦巻くといったぐあいです。はじめはこわごわ覗いていたものの、しばらくするとそのダイナミックさに見とれて時のたつのを忘れてしまったほどです。

すっかり渦潮に魅せられてしまい、その後、観潮船や水中観測船に乗り、さらに渦と大鳴門橋を一望できる「千畳敷展望台」や、東洋一のエスカレーター「エスカヒル鳴門」でいく「鳴門山展望台」などで鳴門の渦を堪能しました。

鳴門山展望台から渦を見る さて、上から下から渦のさまざまな姿を見ているうちに、やはり、「どうして渦ができるの?」という疑問がわいてきました。ちょっとこれを調べてみましょう。

渦はなぜおこる?
鳴門の渦はいつでも巻いているわけではありません。先ほど「大きな渦ができる大潮の日」と書きましたが、大きな渦ができる日とそうでもない日があります。また、時間帯によっても渦ができる時刻とできない時刻があるのです。これは約6時間おきにやってくるようです。こういった事実を手がかりにして、鳴門の渦ができる要因を解明していきましょう。  

第一の要因として先述の大潮があります。大潮とは潮の満ち引きが最も大きくなる状態をいいます。地球を挟んで太陽と月が反対側にくる満月の時や、地球と太陽との間に月がくる新月の時がそうです。太陽と月と地球の配置が一直線になると、ふだんより強い重力によって海の水が大きく引き寄せられます。これが大潮の発生する仕組みです。これによって、干潮と満潮の差が大きくなり、渦潮を起こすエネルギーとなるわけです。

激しい海流の流れによって渦ができる 第二の要因は1.3kmという鳴門海峡の狭さにあります。鳴門海峡を挟んで、右の太平洋側と左の瀬戸内海側では、潮の満ち引きによって潮位の差ができます。当然、高い方から低い方へと水が流れだし、それが狭い鳴門海峡に殺到するわけです。流速は速いときで時速20kmほどだといいます。この流れが渦を生むパワーとなります。流れの速い水と遅い水とがぶつかり合いその流速の差から渦を巻くわけです。このように起こる渦は「カルマン渦」と呼ばれています。

また、渦潮を発生させるもう一つ要因に、長年の潮の流れによってできあがった複雑な海底面の地形があげられます。この地形によって、干満の差がさほどない時期でも、複雑な渦が生み出されるわけです。

さて、このような渦は、鳴門だけにできるのでしょうか?

フランスのランス川の河口のサンマロでは、干満の差が13.5mにも及んでおり、直径2mほどの渦が見られます。サンマロでは干満の差を利用して、潮汐発電も行われています。

ノルウェーのサルトストラウメンには、長さ3km、幅150mの海峡があり、最大時速36kmという世界最速の潮流により、直径10kmもの渦潮が発生しています。

このほかにもイタリア半島とシシリー島の間のメッシーナ海峡や北米西岸のバンクーバー島東側のセーモア海峡などで、渦潮が発生しますが、直径20mを超すものはなかなかありません。鳴門の渦潮は、世界でも最大級といっていいでしょう。  

このように世界に誇る不思議でダイナミック、そして美しい鳴門の渦を、私たちはいつまでも大切にしていきたいものです。


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