セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

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日本の国立公園
太陽と月と地球の創作芸術”鳴門の渦” 瀬戸内海国立公園
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鳴門の野鳥と鳴門山でのタカの渡り定点観測
鳴門で一番見られるタカ、サシバ さて、今度は、鳴門の渦を望む鳴門公園の美しい自然に目を向けてみましょう。鳴門公園の周りは砂浜や磯、岩礁や樹林など、非常に変化に富んだ自然となっているので、さまざまな野鳥を見ることができます。砂浜や磯ではシギやチドリ、セキレイなど、海ではカモメやウなどを見ることができます。また、海浜のイソヒヨドリ、野山のメジロ、ホオジロ、ムクドリなどは年間を通して見ることが可能です。

また、鳴門海峡付近は渡り鳥の飛行コースにもなっていますが、何故でしょう。
「日中、海上より陸地部に上昇気流が多く発生します。タカはこの気流に乗って飛んでいきます。海もなるべく距離の短い海峡を選ぶわけです」と答えてくれたのは、三宅武さんや田中浩文さんたち日本野鳥の会徳島県支部のメンバーです。

三宅さんたち、日本野鳥の会のメンバーは、渡り鳥のなかでも勇壮なタカの渡りを鳴門山展望台で毎年、観察調査しています。鳴門山展望台は標高98.6m、360度の大パノラマで、鳴門の渦や大鳴門橋も一望することができます。すばらしい景観のなか、タカが飛んでいくのを見ると、何ともすがすがしい気持ちになります。

大空を舞うタカ 「9月15日から10月15日までの1カ月間、毎日、朝6時頃から必ず誰かが展望台でタカの数をカウントしています。一日に1000羽以上渡る日もあり、そんなときは数えるのも大変です。ただ、何十羽というタカが集まりつくるタカ柱を見たりすると、一日の苦労も吹っ飛びます」と三宅さんたち。また、タカと環境の関係についてもお話ししていただきました。

「タカの数は環境のバロメーターです。タカが減っているということは、それだけ森林などが伐採されて、タカが暮らしにくくなっているということ。そして、タカが暮らしにくいということは人間にとっても暮らしにくいということなのです」  

観察中の日本野鳥の会の面々 ちなみにこのタカたちは、夏の終わりから秋にかけて、北海道以南の日本列島を南下し、信州や岐阜などから琵琶湖、大阪、兵庫、そして鳴門へと移動してきているらしく、その後は徳島の中央から南部の山地を経由して、高知方面に向かっていくようです。タカの渡りの情報は観測後インターネットで即日発信されますから、各地の観測所のメンバーは、いま目の前にいるタカが、昨日どこにいて、どういうルートをたどってきたのかがだいたいわかるそうです。

鳴門の自然を守る「ボランティア鳴門西」
このようにすばらしい景観を持ち、豊かな動植物が暮らす鳴門には、それを守り続けているいくつかのボランティア団体があります。「ボランティア鳴門西」では、環境美化運動や福祉活動から地域行事や子供の育成まで、地域の活動をトータルに支えるグループです。  

環境美化関連では、自然公園美化管理財団からの依頼を受けて、鳴門公園の清掃を年に1度行っているほか、鳴門公園近隣の道を清掃し、さらに道ばたの草を刈ったり、街路樹やプランターを設置するなどの活動をしています。

「道ばたも草ぼうぼうだと、空き缶やペットボトルなどを捨てていく人が増えます。逆に草を刈って花を植えてきれいにしておくと、不思議とゴミを捨てる人はいなくなるんです」と「ボランティア鳴門西」の代表、橋本国勝さん。

とくに秋は、街路に植えたコスモスが咲き乱れて、とてもきれいな時期。ボランティアの皆さんも一年の清掃や花壇作りの成果が表れる楽しみな時期だといいます。このように街を花いっぱいにするボランティアが日本中に増えて欲しいものですね。

年一回の鳴門公園の清掃 路地にコスモスを植え花いっぱいに

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