セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

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活動のご紹介

環境ボランティアリーダー海外研修

2003年(平成15年)第4回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想その1


日程表 感想 その1 その2
  【1】 Lincoln University (リンカン ユニバーシティ)
ニュージーランドの自然保護・保全マネジメントについての研修でした。ニュージーランドには20地域以上の国立公園や保護区が存在しますが、それぞれの地域によって移入される動物の種が異なります。
また現在、自然保護・保全マネジメントにおいて大きな問題となっているのは、「観光と自然」の相関関係です。観光名所であるミルフォード・トラックでは、完全予約制を取っており、一日80名までの定員を定めて人数を制限しています。ここは日本人も多く訪れる場所ですが、日本人予約の定員はなんとその半分を占める40名だそうです。
ニュージーランドでは、観光客などから入園料を取ることが法律によって禁止されており、立ち入り禁止区域の設置や自発的な市民のボランティアによって、自然保護・保全マネジメントが支えられていると感じました。(白井さん)
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  【2】 Birdlands Sanctuary (バードランド サンクチュアリ)
サンクチュアリでは60種類もの野生の水鳥や家禽類、アヒル、クジャクなどの歓迎を受けました。
Dianneさんは、在来の植物の保護をしたり、砂糖水の給餌場をつくって絶滅危惧種の野鳥のベルバードなど繁殖させています。彼女の将来の夢は、サンクチュアリ内の野鳥を在来種のみにすることです。しかし実際には個人として活動を継続し、サンクチュアリを保全していくための資金集めをすることは容易ではなく、キャンプサイトの経営やグッズの販売、寄付などで賄ってはいるものの、個人としての活動の限界も感じていました。
そんな中でも、ボランテイアの方々が手弁当でトレイルのデッキを作り上げるなど、やはり、地域の協力は大きいのだと痛感した訪問でした。(鈴木さん)
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  【3】 Pohatu Penguins (ポハツペンギンズ)
クライストチャーチでも有名なリゾート地であるアカロアから2台の4WD車に乗り換え、White-flippered Penguins保護区のポハツを訪ねました。現地に到着して2日目、訪問先としては3ヶ所目で、参加者も徐々にお互いのキャラクターを理解し始めた頃でしたが、かわいらしいペンギンに出会え、感動を共有できたことで、参加者同士の距離も一気に縮まったような気がしました。
Helps夫妻は、牧場経営に加え、付近の牧場経営者が共同で行っているエコツーリズムで収入を得ながら、ペンギンの保護活動や調査活動を行っています。夫妻の力まない活動の姿がすばらしいと感じましたが、活動の発端は実はお子さんの夏休みの自由研究だったそうです。こうした夫妻の姿が参加者を惹き付けるのではないでしょうか。ご自宅でごちそうになったおいしいスープとサンドウィッチの味が忘れられません。(木村さん)
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  【4】 Environmental and Conservation Organization of Aotearoa New Zealand (ECO)(エンバイロメンタル アンド コンサベーション オーガニゼーション オブ アオテアロア ニュージーランド)
築100年というビルの1画にある事務所で、Wallaceさんから、ECOの活動について伺いました。ECOは1971年に発足した環境保全団体のネットワークで、現在65団体が参加しています。毎年の定期総会で選ばれた15名のExecutive Committeeのメンバーが、日常的なE-mailでの意見交換、月1回の会議を通して、ECOの運営に当たっています。
ネットワークに参加している団体の活動は、主に地域を中心としたものですが、ECOでは、国の政策や制度をよりよいものにするようなロビー活動、国家レベルの問題に関するキャンペーン、参加団体への情報提供が中心となっています。グリーンピースのような国際的団体、地道な活動をしている国内の団体、大学のサークルなど参加団体の層も厚く、このことは会が信頼を得るための強みでもある一方、活動を進めていくためには、時間もかかるし苦労も多いそうです。「でも、それだけの価値はある」という言葉に、ECOの活動への自信と誇りを感じました。(岡崎さん)
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  【5】 Karori Wildlife Sanctuary
  (カロリ ワイルドライフ サンクチュアリ)
首都ウェリントンに移動して2ヶ所目の訪問地のKaori Wildlife Sanctuaryは、大都市に最も近い場所で、絶滅の危機に瀕している植物の保護や野鳥の移入などを行なっています。NPOが管理する保護地区としては、最も成功していると評価されている場所です。
ニュージーランド固有の生態系の状況に危機感を持った企業家グループがスタートさせた活動です。現在では、会員5,000人、ボランティア参加者400人を抱え、寄付金や会費を集めながら、きちんと組織として管理マニュアルを作成し運営されています。ボランティアガイドを育成しながら見学ツアーなどを行っていることなど、しっかりとした組織づくりに感銘を受けました。
ここではテキスト作りなどを行いながら、環境学習受け入れに力を入れています。またニュージーランドへの入植以前の生態系を復元するため、500年計画を立て活動しているそうです。自然環境に対する考え方については、野生動物の移入など日本では異論が出そうなところもありますが、夢が盛り込まれた長期ビジョンを作ることの重要性を改めて感じました。(木村さん)

《ナイトウォーク》
風が強い!防寒具を着込みナイトウォークに参加しました。毒蛇や毒虫はなく、季節も冬期、その点では安心できました。40以上の企業や慈善団体からのサポートや、自然保護省やウェリントン市とのパートナーシップのもと、原生自然の生態系回復を意図して、252haの敷地を囲い固有種を保護育成しています。また、移入されたネズミ、イタチ、フェレットなどは全て罠等で除去しています。 サンクチュアリ内にはネイチャートレイルが数種類あり、この日は、アスファルト舗装され、誰もが気軽に歩けるトレイルを歩きました。途中、土ボタルの群生地帯があり、幻想的な煌きを見せてくれました。金鉱跡など歴史的な遺産も保有し、環境教育プログラムも地域の学校に提供しています。さらに、湿地帯復元には多自然型工法が施され、貯水池から流れ出る小川に階段状の魚道を設けていました。また原生植生の回復にも巧みな工夫がなされ、鳥の生活史に即した環境を整えることから生態系の回復を計る試みといえます。
新ビジターセンター建築計画があり、年間55,000人規模の観光需要に耐え得る施設づくりを目指し、雨天時にも楽しめるようにするのが今後の目標のようです。(岡本さん)
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  【6】 Mt.Bruse National Wildlife Centre
  (マウントブルース ナショナルワイルドライフセンター)
扉を開けると1億年前に絶滅した恐竜の末裔と言われるトカゲのTuataraが出迎えてくれました。ここでは、木性シダが茂る森に檻をつくり、Hihi、Kaka、Takahe、Kokako、Brown Kiwiなどニュージーランド特有の鳥類を飼育すると同時に、絶滅危惧種の保護・研究を行い、育成した鳥を他の地域に提供しています。「現在と次世代のために自然・歴史遺産を保護する」という使命を持ち、自然復元プログラムを着実に実現させていました。940haの敷地を20人のスタッフで管理しているそうです。
森では、来館者が自然に負荷をかけずに飼育現場を観察できるよう、ネイチャートレイルが整備されています。またビジターセンターでは、鳥類保護の実態について、ビデオや模型を展示し解説をしていました。団体の来訪者には講義室で解説し場内を案内するそうです。環境教育にも活用され、各学校のニーズに合わせたプログラムが提供されます。売店には手作りおもちゃなどオリジナル製品があり、カフェが併設されていました。 今後は、自然解説インストラクターなどの導入計画もあるそうです。(岡本さん)
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  【7】 Te Papa Tongarewa (テパパトンガレワ)
「博物館を超えた博物館!」というパンフレットに書かれた言葉に納得しました。ラグビー場の3倍ほどの広さで、ニュージーランドの芸術、歴史、自然・動物、マオリの文化についてのいろいろな情報や体験が提供されています。1日では、とても見てまわれない充実ぶりでした。屋外のブッシュシティでは、ニュージーランドの森林の植生や地層、モアの骨、土ボタルなどが非常にわかりやすい説明とともに紹介されていて、順路に沿って回ると、ニュージーランドの自然についてかなりまとまった知識を身につけることができます。
また、マオリの文化を伝えるフロアも充実していました。屋内に再現されたマラエ(集会所)の内部の壁面は、男性の仕事であるTIKI(彫刻)と女性の仕事である大きなススキを編んだTUKUTUKU(織物)で構成されています。それぞれのTUKUTUKUのパターンには、「知識が拡がっていく様子を示したもの」などの意味があるといいます。キルトの模様や、アランセーターの模様、アイヌ民族の模様など、パターンが意味を持つものは、世界中に存在します。文化の多様性と共通性を感じました。(岡崎さん)
日程表 感想 その1 その2



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