セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

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活動のご紹介

環境ボランティアリーダー海外研修

2003年(平成15年)第4回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想その2


日程表 感想 その1 その2
  【8】 The Kauri Museum (ザ カウリ ミュージアム)
かつて、北島北部ノースランドを覆い尽くすほど広がっていたカウリの森は、入植者による伐採の歴史が繰り返された結果、今ではその4%の面積しか残っていないそうです。
カウリの木はニュージーランドにおける原産巨木で、複数の種があります。弾力性に富み、ボートや家具に使用されるほか、その樹液を燃料にしたり、刺青の原料に用いたりもしていたそうです。カウリの製材に使われる機械もカウリそのものから作られており、当時の製材技術の精密さと需要の高さがうかがえました。またこの博物館では、カウリ・ゴム(ヒスイ)の保存数も世界随一ということで充実した展示がありました。
全体として、カウリの木をどのように製材し、商品化したかについて体験的に学べました。(白井さん)
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  【9】 Kauri Country Ltd. (カウリ カントリー リミテッド)
カウリの木は直径1.5から2メートルぐらいまで成長するのが一般的であり、ちょうど二人で切れるぐらいの大きさが主で、成長をしながらカウリは自分で枝を折り、他の木からの影響を一切受けないようにしています。また、やせた粘土地質のような土壌にも自生し、根は深くなく表面に広がる形になっています。
ここではエコツアーや子どもたちへの授業などを、10月から6月まで実施しています。週3回ぐらいの予約制で、午前と午後に分かれ、それぞれ60人ずつが定員となっているそうです。体験的な学習ができるのが非常に印象的で、プログラムも系統立っており、老若男女を問わない幅広い層を受け入れているところも注目すべき点だと思いました。(白井さん)
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  【10】 Supporters of Tiritiri Matangi (サポーターズ オブティリティリ マタンギ)
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ティリティリマタンギ島は、オークランドから北東へ30キロの場所に位置する220ヘクタールの島で、オープンサンクチュアリとして、一般の人々が自由に訪れ、珍しい植生などを楽しめるようになっています。この島は1971年までに、牧場開発により原生林の94%が伐採されてしまいましたが、1984年から94年に、ボランティアの手で25万〜30万本の木が植えられ、今では島の面積の60%が森で覆われるまでになり、生態系が復元されています。
Supporters of Tiritiri Matangiは、この植林に参加した人が中心となってできたボランティア組織で、現在1,600名の会員を持ち、原生の木の育苗や植林、木道などの整備、希少な鳥類の導入、また来島者へのガイドなどを行っています。
これらの取り組みは多くの成果をおさめ、今ではニュージーランド国内のモデルとなっているそうです。現在は、ビジターセンターの建設やTakaheの繁殖などを含む大きな資金を必要とする5年計画を実施中です。
植林による島の回復の姿を確認でき、その後の木道整備や鳥類の再導入・増加など、「活動の成果が目に見える」ことが、活動の拡がりや深化を加速するキーポイントだと感じました。(岡崎さん)
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  【11】 Department of Conservation Auckland Office (DOC)
  (デパートメント オブ コンサベーション オークランド オフィス)
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DOCは全国を3区分し、13支局から成り立っています。中でも、オークランド支局は36,000haの保護区を管理し、北のカイパラ港とマンガワイから南のワイカト川とミランダまでをカバーしています。環境行政の中枢を担い、指標指針を出し提言活動を行う機関といえます。
国立公園の保護保全、海洋保護、野生動植物の保護など行なうなかで、各市民団体に情報提供を積極的に行っていますが、直接的な資金援助は行っていないようです。各地のNGOと協力関係を持ち、協議を重ねながら、ともに自然保護方針を具現化させています。
オークランド支局には3人の専属職員がいました。ニュージーランドには中国からの移住者が多く、近頃では中国人の環境保全団体も出来ているといいます。古くからのNGOの世代交代や活動の衰退もあるなかで、生物多様性戦略を推進する調整機関は必要であり、DOCがその役割を果たしているといえます。(岡本さん)
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  【12】 New Zealand Parks&Conservation Foundation
  (ニュージーランド パークス アンド コンサベーション ファンデーション)
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「Kiaora!」マウリ語でこんにちは!明るい声で会場を始めから沸かせてくれたJocelynさん。ニュージーランドの自然遺産を保護保全するための独立した公益信託(民間セクター)の事務局長として活発に活動されている様子が、その口調と身体からあふれるオーラで伝わってきました。
ニュージーランドで活動している20団体に資金を提供してきましたが、資格審査も厳正に行って公平に行き渡るように基準を設けています。主に、自然保護の活動であること、公共の場における活動であること、組織として活動している団体であること、そしてなによりも信頼性があることをあげています。
また、寄付を提供する企業にとっても、広告宣伝費としての経費に計上できるため、大きなメリットになります。ここが日本との大きな違いといえます。日本の現地法人もスポンサーとしてパンフレットに掲載されていましたし、これからもどんどん様々なプロジェクトに資金援助を続け、自然保護に大きな貢献していくという決意は頼もしい限りでした。(鈴木さん)
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  【13】 The Whale&Dolphin Adoption Project
  (ザ ホエール アンド ドルフィン アドプションプロジェクト)
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オークランド近くに棲息する7頭のイルカに名前をつけ里親となってもらうことで、寄付金(会費)を集め、クジラやイルカの研究者に助成金を出し支援することで、それら海洋哺乳類の保護活動につなげていこうというプロジェクトです。日本にも里親になっている幼稚園などがあるそうです。
浜に打ち上げられたオルカ(シャチ)を救助した経験が発端となりスタートさせた活動だそうです。民間がベースとなり、会員が直接参加する活動がないまま、寄付金を集め研究者を支援することの難しさを感じましたが、それでも1,000名の会員がいます。会費=寄付金という感覚が強いのでしょう。一方で、私も海での活動を行っており、安全管理や天候に左右されやすいなどの理由から、多くの方を海へ連れ出すことの難しさも日常的に感じていましたので、共感できることもありました。(木村さん)
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  【14】 Waitakere City Council (ワイタケレ シティ カウンシル)
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オークランド市に隣接するワイタケレ市は、宇都宮市と姉妹都市で、エコツーリズムに力を入れている市ということもあり、今回は市長表敬訪問を行ないました。 大変温かいユニークな市長で、議会場に入り一緒に記念撮影をさせていただきました。日本ではめったにできない経験で感激しました。ビデオで見せていただいたワイタケレの美しい西海岸や、そもそも海岸は市民のために使わなければならないという、日本とは違う概念のもと管理されているニュージーランドの海岸で、自然保護活動を行っている団体に、また訪問してみたくなりました。(木村さん)
日程表 感想 その1 その2

事務局より
日本では、多くの環境市民ボランティア団体がその実践活動において、様々な課題を抱えています。「環境」というテーマの大きさゆえに、すぐに結果を期待することは難しく、必要以上に焦ったり、無力感に失望したり、時には行き詰まって活動を断念してしまうこともあるでしょう。
今回の研修では、それほど気負わずに「まず活動を楽しむ」というニュージーランドのNPOのみなさんの活動姿勢に、改めてボランティア活動の「原点」を見た気がします。大きな理念を掲げ強い使命感と情熱を持つ一方で、日々の活動においては小さな目標設定をして、時にはみんなで達成感や喜びを共有しながら活動する。ボランティア活動をする上で本当に基本的なことかもしれませんが、そんなニュージーランドのNPOのみなさんの活動スタンスの中に、ボランティア活動を継続し多くのサポーターを得るヒントが隠されているのかもしれません。



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