セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

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活動のご紹介

環境ボランティアリーダー海外研修

2014年(平成26年)第17回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想その2


日程表 感想 その1 その2
【7】
10月25日(土)午前 訪問先:ヘッセン州野鳥保護センター 講師: Mr.Bleifuss
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希少な野鳥たちの剥製
 ヘッセン州の郊外にある 野鳥保護センターを訪れました。
 ここでは、毎年、ドイツ全土で実施されているFOJという研修制度の研修生をうけいれているということで、具体的な野鳥保護活動と研修制度についてお尋ねしました。
 1937年10月07日にこの野鳥保護センターは設立しました。スタッフは2名の常勤、1名の非常勤 研修生、ボランティアで構成されています。
 センターの業務は大別すると以下の5つです。
  1. 図書、剥製の管理
  2. 生態系の調査 野鳥の生息調査
  3. 環境教育活動 ボランティア向け研修会5回〜10回/子どもたちのセミナー 40回
  4. 広報活動 野鳥についての雑誌の発刊
  5. 資料公開
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研修生がお世話している在来のニワトリたち
 野鳥の調査では、最近増えている発電の風車によって、多くの野鳥に被害をもたらしているそうです。そこで、もっとも影響を受けないように設置すること等を政府に提案しています。また、農業の大規模一元化によって、野鳥の生息域が少なくなるという問題や高圧線による被害、外来種による問題等を抱えているそうです。
 そこで、野鳥保護センター野鳥にナンバリングし、個体数や行動範囲を把握しています。最近ではハゲワシが飛んで来るようになったので、足輪にセンサーを入れて調べてみるとヨーロッパ中を移動してスペインまで飛んでいることが解りました。これは餌を求めて新しい土地を求めなければいけなくなった若い鳥が遠くから飛んでくるのだそうです。
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センター館内の剥製展示
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センター内の森を散策・巣箱の研究についての講義
 環境教育活動は子どもを対象に年間40回〜50回行われています。
 これらは12のテーマを設けています。
  1. 鳥の犯罪
  2. 啄木鳥
  3. 森の中の足跡探し
  4. 野鳥観察
  5. くちばしの形と食べるもの
  6. 巣箱自分たちで作る
  7. 動物の住処を探す
  8. ありの暮らし
  9. 啄木鳥9種類
  10. 鳥の求愛行動
  11. ニワトリの世話
  12. 羽の識別
 どの活動も子どもが調査員のようになって主体的に興味を持って調べるという内容となっていました。
(加藤 大吾)
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【8】
10月25日(土)午後 訪問先:ヘッセン州環境ボランティア研修制度 講師: Ms.Steinweg
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研修生制度事務局のMs.Steinwegさん
 「FOJ研修制度について」
 ドイツでは16歳から26歳までの 義務教育卒業者対象を対象に将来やりたい仕事を見極めるために現場を経験できる研修制度があります。期間は6ヶ月〜18ヶ月でその期間は施設には連邦政府から一人につき200ユーロ/月、ヘッセン州一カ所につき140ユーロ/月、研修生には150ユーロ/月、家、食事、5回のセミナー、社会保険が支給され、更に就職時の優位性を得ることができます。現在ドイツ国内に2770名の研修生が受入れられています。受け入れ先は環境、福祉、軍隊の3つのカテゴリーがあり、自由に選ぶことができます。選考は研修先と研修生のマッチング会が開かれ、その場で面接をして決定します。選考基準等は研修受け入れ先に全て任されているということでした。セミナーは合宿を5回、合計24日間で実施されます。セミナーの内容は研修生が話し合って決めることになっていて、同時に研修生同士の出会いと情報交換の場になっています。
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最後には研修生から英語でプレゼンを行う
 野鳥保護センターの研修生の仕事はニワトリのお世話が中心で週に1回掃除するそうです。月に1回は、野鳥を捕まえて、計測し、記録を取っているそうです。3週間前には鳩のひなを保護し育てて自然に返しました。その他の仕事は、剥製の管理、プログラムの準備、電話受け、棚作りなどがあります。
 この制度は、学問と現場をよりスムースに繋げる役目を果たしていました。
(加藤 大吾)
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【9】
10月26日(日)午前 訪問先: NABU(ドイツ自然保護連盟)ラインナウアー自然保護センター 講師: Mr.Egeling
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洗剤メーカー「フロッシュ」のプロジェクトを聞く
 ライン川に面する町、ビンゲン郊外にあるNABUラインナウアー自然保護センター。
 この自然保護センターでは、年間に350もの自然体験プログラムがあり、年間8000~32000人もの利用者が訪れる。驚いたのは、運営はすべてスタッフが任され、イベントの年間予定表は約半年前には利用者の手元に渡っているということだ。イベントそのものだけに満足してもらうのではなく、前後の関係もトータルして顧客の満足度を高めていることが利用者確保につながることに気付く。そして現在でも続いている大きなPJは「カエル保護」だ。絶滅しそうなカエルを守るという試みから始まったPJ。ドイツで有名なフロッグという企業と一緒に洗剤を売り出しており、15年も続いている。企業と連携し今も続いている背景にはお互いの目的がマッチし、企業側にとっても、NABUにとっても良い効果を生み出しているからだ。長く続いた理由を聞いてみると「いい仕事をしているから」とさらりと答えてくれた。確かにその通りである。
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郊外研修での真剣なまなざし
 センター近くには広大な自然保護地域があり、ライン川沿いでは珍しく堤防がない地域で、雨が降ると水位が上昇し、湿地帯となり多様な生物たちが共存する。この広大な土地、代表のロバート・エーゲリング氏が自然再生事業の予算を取得し、土地を購入したのである。
 動植物にとって非常に優しい環境、人が過剰に手を加えるのではなく「昔に戻す」という視点が素晴らしいと感じた。
(高林 麗果)
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【10】
10月26日(日)午後 訪問先: NABU(ドイツ自然保護連盟)ヘッセン州ルーツビック地域支部 講師: Mr.Michalski
 彼は、ラインヘッセンのアルビックという町でNABUの広報活動を行っている。ここでは、どのように広報を行っていっているかということを学んだ。
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ライナー・ミヒャルスキー氏
 はじめに、ミハエルスキーさんの活動としては、週末の活動が主であるが、環境教育や質問に答えたり、プロジェクトにおける広報活動を行ったりしている。広報活動においては、記事を書いてのせてもらうのは大変なので、実際に記事をかいて自分から送ったりしている。広報はいいことをしたら、そのいいことをちゃんと伝えるようにすることであるとミハエルスキーさんは言っていた。また、印刷物に関しても細やかな配慮が欠かせない。パンフレットには、年間のスケジュールを細かく時間や参加費、どんなことをするかまで記載されている。これはとても具体的であるため参加しやすい。
 さらに、時代とニーズに合わせて内容やデザインなどをかえていくこと。もっとも大切なことは、地元に密着すること、ミハエルスキーさんの活動している地域でも自然保護に興味関心がない人もいる。そんな人にも上手くアプローチしていく必要がある。同じ誘い方ではなく他にも興味のあることを選んで声をかけたりするそうだ。
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 広報というものは載せるものにしっかりと時間をかけて作り上げていくこと、言わなければ何も伝わらないということである。
 どのように広報していくのが効果的なのかを話して下さっているところ。後ろの真ん中のパソコンの画面が日本語で「こんにちは」になっている。さすが、広報のプロフェッショナルである!
(南 ゆかこ)
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【11】
10月27日(月) 訪問先:トレーブール町立自然幼稚園Naturkindergarten "Ludwigsaue" 講師: Ms.Plahuta
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園舎として農場に設置されたトレーラーハウス
ヘッセン州のトレーブール(Trebur)にある町立自然幼稚園Ludwigsaueは2004年設立、3-6才児定員20名の異年齢児混合クラス、先生2名、保育時間8時―13時、月謝94ユーロ(トレーブール町一律)。また園児の送迎は、保護者が協力して乗り合わせることになっています。活動場所は、NABU所有のライン川に隣接する農耕地跡で、敷地内にはアヒルやヤギもいるといった、とても牧歌的でのどかな風景が広がっています。
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切り株のサークルで朝の会
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毎日川岸の草原を歩いていく
 毎日8時―8時45分にトレーラーハウスに登園し、9時サークルになって朝の集いをしてからその日の活動場所へと移動します。現地に着いて各自持参したサンドイッチや野菜を食べた後は自由遊びです。季節や天候を考慮して活動場所は先生が選びます。夏には川原で水遊びをして過ごすこともよくあります。12時にはトレーラーハウスに戻り、サークルタイム(歌、絵本、集団遊び)をして、12時30分-45分に保護者が迎えに来ます。
 午前保育しかないことや、野外活動のための装備(ブーツ、レインスーツ等)にお金がかかることもあって、この幼稚園にはそういう条件に適う家庭の子どもたちが集っているとのことです。
(藤井 徳子)
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【12】
10月27日(月)午後 訪問先:ヘッセン州自然環境保護センター 講師:ゲルハルト・エプラー氏(NABUヘッセン州支部代表 ヘッセン州自然環境保護センター所長)
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広大な敷地にある自然環境保護センター
 エプラー氏は、ニッポンへも何度もいらしていただいており、ニッポンの現事情および環境NPOが実際にどのようなことに取り組んでいるかの実情もよくご存知です。そんな中で、この日はヘッセン州におけるNABUの役割とその活動内容について、私たちの活動の参考になるように、資金調達の方法や具体的なプロジェクトの運用について詳しく解説していただきました。
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子どもたちと先生が集まるスペース
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建物にコウモリや鳥、ミツバチ用のホテルまでがある
 また後半は、ヘッセン州自然環境保護センターの施設を案内いただき、どのような機能を有しているのか、またこの施設がどのような効果をもたらしているのかについても詳しく解説していただきました。NABUの自然保護を中心とする活動はすでに各所で聞いてきた話でしたが、この施設があることで、その活動の幅を広げたり、広報の役割、そして会員獲得などのある意味資金調達的な役割をも担っているなど、まさに活動との二人三脚の存在であることを知ることができました。
(豊田 直之)
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【13】
10月28日(火)午前 訪問先:マインツ市環境情報センター 講師:グンター・ノイハウス氏(同センターセンター長 マインツ市都市環境政策部)
 マインツ駅から歩いて5分ほどのマインツ市環境情報センターを訪ねた。マインツ市はラインラント・パァルツ州に属し、人口20万人を有する大きな都市。州都なので 州政府のある街である。その街のど真ん中にこの環境情報センターはある。午前10時の開館時間ともなると、次から次へと市民が訪れ、金属やプラスチックゴミを回収する際に使う黄色いプラスチック系袋を受け取りに訪れている。館内には、市の環境に対する活動や、関係するNPOの情報、ゴミの分別の方法、エネルギーの省エネについてやその他の情報が誰にでも閲覧しやすいように掲示され、必要とあらば館職員が個別に生活に関するありとあらゆることの相談に当たるなど、まさに街のライフインフォーメーションセンターとして機能していた。特にニッポンとの大きな違いは、市民がいかにエネルギーを使わないように暮らせるか、生活することによって出すゴミをいかにして減らすことができるかなどの情報提供がしっかりとここで得られることである。その結果、必然的に市民は環境に関する意識を強く持つことができ、ニッポンの一般市民とドイツの市民の地球にやさしい生活の仕方やその意識の格差がある理由が浮き彫りとなった。
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リサイクルできるゴミの分別箱
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省エネの家電類を選ぶべきかのパンフレット
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市民の個別相談にも応じてくれる徹底
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NABUが同センター内においた携帯回収型募金箱

(豊田 直之)


【14】
10月28日(火)午後 訪問先:ファンドレイジング(資金調達)特別講義 講師: Mr.Andreas Berg
 アンドレア・ベルグ氏から顧客データを活用したファンドレイジングについて講義を受けました。ファンドレイジングにおける重要なポイントには
  1. 寄付者を増やす
  2. 寄付者に継続して寄付してもらう(または、寄付金額を増やしてもらう)
  3. 運営コストを下げる
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資金調達の特別講義風景
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研修生それぞれの団体の状況をプレゼン
 以上の3つがあり、効率的に資金を集めるための顧客データの活用方法について紹介頂きました。戦略を立て、まず始めてみることが重要で、そうしないと改善に向けてPDCAサイクルを回していくことができません。ファンドレイジングについて効果的な仮設を立て、戦略を磨いていくためにも、3つの寄付に関するデータ((1)寄付者の個人情報、(2)寄付金の額や使途、(3)寄付金を募るために行った活動のデータ)を日頃から集め、整理し、更新し続けることが大切だと学びました。最後に、現在ファンドレイジング活動真っ最中の研修生から現状の課題を発表し、講師から直接アドバイスを頂くことで、具体的な事例の検証を通じて全員で学びを深めました。目指す社会をつくるための活動目的と現状、解決案を明確にすることを抜きにして、ファンドレイジングは始まらないことも再確認しました。
(麻生 翼)
日程表 感想 その1 その2



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