天蚕


先日、事務所の前にあるコナラの木で黄色いまゆを発見しました。

コナラの枝にぶら下がるまゆ

このまゆを作った昆虫は「ヤママユ」という大型のガです。

ヤママユは春に卵から孵化し、幼虫はクリやコナラなどの葉を食べ成長、大きく育った幼虫は初夏の頃まゆを作り、8~9月頃に羽化します。

時期になると灯りに飛んできた立派な成虫を見かけます。

体色には黄色、黄褐色、赤褐色など変異がある。
写真は黄色味の強い個体。

そんなヤママユには「天蚕(てんさん)」という別名があります。

ヤママユが作る糸は「天蚕糸」と呼ばれ、カイコが作る絹よりも柔らかく、しなやかで高級品とされています。

長野県安曇野市では、伝統工芸として天蚕の飼育、繰糸、機織りの技術が受け継がれているそうです。

 

ヤママユは平地から山地に生息しています。

皆さんも木々が葉を落とした雑木林や公園で、天蚕が作った鮮やかなまゆを探してみてはいかがでしょうか。(宮本)