地獄の釜の蓋(ジゴクノカマノフタ)


「地獄の釜の蓋(ジゴクノカマノフタ)」
これはとある植物の別名です。
なにやら恐ろしい響きですが、どんな植物を想像されますか?
答えは、こちら。

キランソウ(シソ科)花期は3月~5月

正式名をキランソウといいます。春に小さな紫色の花を咲かせます。
昔から薬草として利用されてきました。
地面に這いつくばって広がる様子を釜の蓋に見立て、
その薬効が「地獄の釜に蓋をして病人をこの世に送り返すほどである」、
というのが別名の由来だそうです。

地獄の釜のフタに見えますか?

ユニークな名前の生きものに出会うたびに、
先人たちの遊び心や観察眼に脱帽してしまいます。

キジムシロ(バラ科)花期は4月~5月

こちらはキジムシロ。「むしろ(筵)」とはわらなどで編んだ敷物のことです。
確かに、生えている場所や丸く広がる形・サイズが鳥のキジの敷物に最適かもしれません。
この植物を敷物代わりにしてちょこんと座っているキジを想像すると、
なんとも可愛らしく感じてしまいます。

夜空の星から神話が生まれたように、自然は私たちの想像力をかき立ててくれます。
風や陽射しが心地よいこの季節、目に映る自然からあなたの物語を見出してみませんか。
(川野)