春の妖精キスミレ


野焼き後の黒い大地を彩るキスミレ。飯田高原では今が花盛りです。

黄色のお花とハート型の葉っぱが特徴

キスミレは春に開花し、タネを実らせ、夏には葉っぱも枯れてすっかり姿を消してしまいます。
このような植物のことを春植物と呼び「春の妖精」とも表現されます。
次の春まで土の中で休眠するため、短い期間でしっかり日光を浴びて栄養を蓄える必要があります。
そのため日当たりのよい野焼きされた草原や短く刈られた草地などはキスミレにとって最適な環境です。

防火帯に咲いたキスミレ。背後には野焼きの炎。

場所によっては大群落をつくるキスミレ、
黄色のお花が一面に広がる様子はかわいい妖精たちが、つかの間の春を謳歌しているようです。

一面に広がるキスミレ

 

お目覚めドッキリ


冬に仕込んだ落ち葉たい肥のかくはん作業中、土をかぶった二ホンアマガエルを見つけました。
たい肥の土の中でお休みのところだったようです。

眠気まなこなのか、動きも鈍く、きょとんとしていました

この後、二度寝したかどうかはさておき、そばにはツクシやオオイヌノフグリの花が咲き、春も一段と進んできました。

もう少しすると、タラノメやコゴミといった山菜の時季に入ります。
暖かさとともに、カエルたちも美味しいエサ(虫)にありつけることでしょう!

 

肝心の落ち葉たい肥の完成はもう少し先のようです。

春を告げる野焼き


なかなか天候に恵まれず、野焼きができない日が続いていましたが、
約1か月の延期の末、ようやく実施することができました。
野焼きで出現した黒い大地に新芽が芽吹くことで飯田高原も春の装いとなります。
今年も色とりどりの草花が楽しませてくれることでしょう。(阿部)

タデ原湿原の野焼き

 

タネツケバナ


自然学校の田んぼや畔には小さな野草たちが咲き誇っています。
田んぼに生えるタネツケバナも今が花盛り。
種もみを水に浸ける頃に花を咲かせることが名前の由来ですが、
田んぼに水が張られるまでに、タネツケバナは大急ぎで種を実らせ土に還ります。
農業の暦になるだけでなく、田んぼの肥やしとなるタネツケバナ。
稲作の歴史の中で相棒となった生きものたちに感謝しつつ、
今年もお米作りを始めたいと思います。

タネツケバナ。去年刈った稲の株の横で咲いている
花の中心から種の入った細長いサヤが伸びる

 

シイタケの駒打ち


初春のポカポカ陽気の中、シイタケ栽培のための「駒打ち」を行いました。
駒打ちとは、切り出したクヌギ等の木に穴をあけ、シイタケの種菌を打ち込む作業です。
シイタケ栽培には「原木栽培」と「菌床栽培」の2つがあり、駒打ちは原木栽培の工程の一つです。

雑木林から運び出した原木約140本

昨年の秋に雑木林で伐採し寝かせておいたクヌギやコナラの原木(ほだ木)に次々と菌を打ち込みました。
その数なんと2400駒!
駒を打つだけでなく、山から重い木を運び出す重労働でもあり、当日は地元の方との協働作業です。

電動ドリルで穴をあけていきます
シイタケの種菌である駒。ハンマーで打ち込みます

シイタケ栽培にクヌギやコナラを利用するのは、シイタケの菌がブナ科の木を好むからです。
特にクヌギとの相性はバツグン!
でも、すぐにシイタケが出てくるわけではなく、お目にかかれるのは翌年の秋。
ふた夏過ぎる間に菌が原木の隅々まで行きわたり、ニョキっと生えてきます。

来年の秋、あの芳醇な香りと肉厚のシイタケの姿が待ち遠しい限りです。(指原)