2026年夏、九重ふるさと自然学校が「茅葺き家屋」にリニューアルします!

2007年に自然学校が開校し、今年で丸19年。九重町飯田高原の豊かな自然環境のなかで、自然から、そして、地域の皆さんからたくさんのことを学ばせていただきました。
なかでも草原は、脈々と続く人と自然の営みによって育まれてきた自然環境の一つであり、今日においても九重町を代表する自然景観です。

草原は地域の暮らしや畜産業を支える重要な資源として、数百年以上にわたり、野焼きや放牧、採草(草刈り)によって維持・管理されてきました。そこには草原の環境を好み、人との関わりの中で寄り添いながら生きてきた多くの動植物がすみ、また、草原との暮らしの中で衣食住の多様な文化が生まれ、それは地域の誇りや愛着を育んできました。
日本の草原のほとんどは人が手を入れなければ環境を維持できません。それは温暖で雨が多い日本の気候条件下では、放置された草原には数年で樹木が侵入し、数十年で森林へと遷移するからです。草原は人と自然が絶妙に調和しながら共生の道を歩んできた歴史のもとに、いまも存在し続けているのです。




しかし、時代とともに社会や暮らしの変化によって、九重町の草原も大きく縮小しました。例えば、戦後に起きた石油革命によって、農耕や運搬のための使役として飼育されていた牛馬はトラクターへと姿を変えました。草原は牛馬を飼うために必要な餌などを得る大切な場所でした。また茅葺き屋根は耐久性、耐火性に優れた瓦葺きに置き換わり、緑肥として使われていた野草も化学肥料の台頭で利用が減少しました。このように草原と暮らしの関わりが希薄になっていったことで、草原の利用価値は低下し、しだいに放置されて森林に、また植林地に姿を変えた場所も少なくありません。


それでも九重町では畜産業を中心に綿々と草原が維持されてきました。しかし、近年では畜産業の衰退や過疎・高齢化による野焼きの中止などで、草原の維持が危ぶまれることもありましたが、地域の皆さんの想いとたゆまぬ努力で、飯田高原では現在も650ヘクタールの草原で野焼き等が行われています。九重町の草原はこの地に暮らす皆さんだけでなく、ここを訪れ、愛する多くの方々にとっても大切な宝物です。そして草原にすむ生きものにとっても、貴重でかけがえのない揺りかごなのです。


地域の皆さんとともに守り、育んできた草原を次の20年、そして100年後の未来にも受け継いでいきたい。その想いを胸にこれからも草原と共に生き、活動を続けていくシンボルにしたい。それが茅葺き家屋へと生まれ変わる理由です。
工事は2026年2月に着工し、現在、屋根の葺き替えに向け順調に進んでいます。
完成は8月の予定です。定期的に工事の様子をお届けしますので、お楽しみに。
