体験プログラム

プログラム「夜の昆虫観察会」を実施しました!

2025年7月26日(土)

今年初めて行うプログラム「夜の昆虫観察会~ライトトラップで虫集め~」を実施しました。

ライトトラップとは昆虫が光に集まる性質を利用した光で虫を集めるワナのことです。

このブログラムは普段の生活ではなかなか見ることができない夜に活動する昆虫たちをライトトラップやナイトハイクで観察し、園内で見られた昆虫と周辺環境の関係性について皆さんと一緒に考えることを目的に実施しております。

雑木林や草原、田んぼ、畑など色々な環境がとなりあう自然学校のフィールドで、どんな昆虫たちの姿を見ることができたのでしょうか?

当日は台風の影響で風が強く、時折雨が降る不安定な天候のため、少人数での実施となりました。

まずはスタッフが活動の内容と注意する生きものについて説明をし、日が暮れたタイミングでライトを点灯!どんな虫たちが姿を見せてくれるでしょうか。

今日はどんな虫が見られるか、   
ワクワクドキドキ     
色とりどりのライトが点灯。まるでUFO。

ライトトラップに虫が集まるまで少し時間があったことから、初めにガ(蛾)が大好きなスタッフ「がっちゃん」によるスライドトークを行いました。題して、「実はおもしろいガのはなし」。

大変マニアックな内容でしたが、ガの擬態(ぎたい)クイズはとても盛り上がりました。

スライドトークが終わったころにはいつのまにか外は真っ暗に。さて、ライトトラップには何か飛んできているでしょうか??

あっちにもこっちにも虫が来てる!
コガネムシがいっぱいだ!!

まず目につくのはたくさんのコガネムシたち。ほとんど同じ種ですが、よく見ると複数種類が集まっていることに気が付きます。オオスジコガネやサクラコガネ、ヒメコガネ・・・。

日没直後にはコガネムシが集まることが多いです。他には数多くのガの仲間やヘビトンボなどの水生昆虫が次から次に飛んできます。

珍しいシロテンコウモリ(※ガです)
がっちゃん、一人だけ大喜び
子どもの手のひらサイズの大きなガ
クルマスズメ

雨が弱まってきたタイミングで少しの間ナイトハイクに出発。夜の自然学校のフィールドを歩いてみました。

準備ができたら、出発!
五感を研ぎ澄ませて
闇夜の生きものたちを探します

まず見つかったのは羽化の最中のヒグラシ。脱皮途中のセミはまだ体がやわらかく真っ白です。羽化の最中に天敵に襲われることも多いよう。見慣れない虫たちの姿に皆で大興奮。 他にも次から次へと色々な生きものが見つかります。

羽化するヒグラシ
眠って休むナミアゲハ
枯れ葉のような大きなガ
アケビコノハ
小枝のようなエダナナフシ

雑木林の中に入り、クヌギの木を照らしてみると時折パッとガが飛び立ちます。ガが止まっていた箇所をみると樹液が出ています。下翅(したばね)がピンクで美しいベニシタバがあちらこちらに。

     ピンクが美しいベニシタバ。     
ガの中では人気があるカトカラの仲間
樹液の近くにいたシュレーゲルアオガエル
樹液に集まる虫を狙っていたのでしょうか?

さて、生きもの探しに熱中すると時間が経つのはあっという間です。室内に戻ってからはスタッフによる標本づくりの実演。昼間に採取したチョウを実際に標本にし、標本の作り方についてレクチャーしました。

最初は難しい標本づくり      
数をこなすのが上手になる秘訣       
完成!このまま一か月ほど乾燥させ、
標本の出来上がりです

最後は本日のまとめ。

ライトトラップとナイトハイクで集まった昆虫を見ると周辺の環境と深く関係していることが分かります。例えば、シロテンコウモリの幼虫はサトイモを食べることが知られますが、自然学校の敷地には畑があり、サトイモも植えられています。ヘビトンボは清流にすむ虫ですが、学校の裏には水の澄んだ小川が流れています。樹液に来ていたベニシタバは幼虫がヤナギ類の葉を食べ、成虫はクヌギ等の樹液に集まりますが、自然学校の敷地内にはどちらの木も豊富にあります。このように地域の虫を観察することで虫たちが周辺の環境について色々なことを教えてくれます。今身近にいる虫たちも何年後かには環境の変化でいなくなってしまうこともあります。皆さんも身近にいる虫たちに少しでも目を向けて一緒に考えてもらえたらうれしいです。

観察会のまとめ
セダカシャチホコの面白いお顔

これにて夜の昆虫観察会はおしまい。

もうすぐ夏も終わり。皆さんも自然の中で虫たちを愛でてみるのはいかがでしょうか。

またぜひ、自然学校のフィールドでお会いしましょう!

体験プログラム

「親子で楽しむ☆田植えと初夏の生きものしらべ」を実施しました

2025年6月1日(日)

今年も親子で楽しみながら学ぶ「田植えと初夏の生きものしらべ」を実施しました。

午前は田植え、午後は田んぼの生きもの採集・観察と、充実した時間になりました。

九重ふるさと自然学校では、お米の苗も種もみから手作りしています。

4月に種まきしたポット苗は、暖かいビニールハウスの中でぐんぐん成長!

5月に入る頃には、生き生きとした新緑の葉っぱを出しました。

種まきしたポット苗をビニールハウスに据える様子(4月中旬)
続々と葉を出す苗(5月初旬)

そして来たる6月1日、待ちに待った田植えの日を迎えました。

初めにスタッフから田んぼという環境や田植えの仕方について説明。

楽しむだけでなく学びながら体験するというのが、自然学校で大切にしている点です。

 

苗を取り、泥に入って1列に並び、田植え紐で位置を決めたら息を合わせて1株ずつ植えていきます。

初めは慣れない手つきだったお子さんも、後半にはスムーズに!

泥に足を取られることも多々ありましたが、みなさん最後まで熱中し無事に終えることができました!

スタッフより苗について説明中
まずは苗取りから!
さっそく1列になって田植え開始
泥んこもへっちゃら~
家族で和気あいあいと!
皆さんいい笑顔です♪
「田植え完了~!」

お昼を食べて、午後はお待ちかねの田んぼの生きものしらべ!

九重ふるさと自然学校では「自然共生型田んぼ」の名のもと、お米を育みながら生きものも棲みやすい田んぼづくりをおこなっており、様々な生きものが生息しています。

この時期の田んぼの主役はズバリ!「オタマジャクシ」

みなさん網を上手に使ってたくさんのオタマジャクシを捕まえていました。

中には足が生えているものや尻尾が生えている小さなカエルも…

大きなトノサマガエルが捕まった時は、歓声が上がりました!

よーく狙って…
こちらは親子で協力して採集
真剣なまなざしです!
「オタマジャクシゲット!」

にぎやかな採集会の後は、生きもの観察の時間。

最終的にはカエルの他にも、卵を背負ったコオイムシやもうすぐ羽化しそうな赤とんぼのヤゴ、ゲンゴロウやガムシの成虫と幼虫などたくさんの生きものが捕まりました。

生きもの観察会の様子
触ってみるのも観察の醍醐味
たくさん捕れたオタマジャクシ
トノサマガエル
コオイムシ
ガムシの幼虫

あっという間に観察の時間も終わり、最後は今日の活動のまとめ。

生態ピラミッドを使って、田んぼという環境の重要性と生態系について学びました。

生態ピラミッドを使って説明中
親子で熱心に話を聞いてくださいました!

環境の変化などにより田んぼを棲み家とする生きものたちが全国的に減少している現在、みなさんにはぜひ「田んぼはお米だけでなく、多くの生きものたちも育んでいること」を心に留めておいて欲しいと思います。

 

次回の親子で楽しむ☆田んぼプログラムは10月の「稲刈りと秋の生きものしらべ!」

すくすく成長する稲、そして田んぼに棲む生きものたちを見守りながら、次の活動も楽しみにしております。

最後にご参加いただきました皆さまへ、心よりお礼申し上げます。(宮本)

体験プログラム

「くじゅうの生きもの観察会 ~春~」を実施しました

4月27日(日)

今年度も九重ふるさと自然学校では、くじゅうに棲む四季折々の生きもの観察をテーマに『くじゅうの生きもの観察会』を毎月第4日曜日に実施しています。

それぞれの回の担当スタッフが得意とする生きものを中心に紹介しながら自然学校のフィールド『さとばる』を散策する、そんな観察会です。

5月は雨天のため中止となりましたが、4月はさとちゃんこと川野が「春の妖精:スプリングエフェメラルを観察しよう」をテーマに植物の観察会を行いました。

当日は観察会開始以来最多の54名の皆様にお越しいただきました!本当にありがとうございます。

今回は主に野焼き後の草原に咲く花を観察するため、本校の一番奥に位置するカシワの丘まで歩き、その後は虫たちを観察しながら事務所まで戻ってきました。

草原にはキスミレがたくさん見られ、咲き始めのハルリンドウもちらほら。田んぼの周りにはニホンアカガエルの卵や越冬明けのホソミオツネントンボがたくさん見られました。晴天の中、春の虫たちも飛び交い、スジグロシロチョウやミヤマセセリ、アサヒナカワトンボが優雅に羽ばたく様子が見られました。

<春の観察会で観察できた生きもの>

(春の観察会の様子)

 この日は事務所から溢れんばかりの参加者が!
     目指すは「カシワの丘」
   みんなで虫たちを捕まえてみよう♪ 
  こどもたちが捕まえた虫はスタッフが解説。
       トンボを捕まえたよ♪
       ボクはチョウチョ!

次回からは夏の回。

梅雨が過ぎれば一斉に草木が伸び、青々とした雑木林と草原でたくさんの虫たちが出迎えてくれることでしょう。セミの声に耳を澄ませながら、真夏の高原で一緒に様々な生きものたちと戯れてみませんか?スタッフ一同、皆様と観察会でお会いできるのを楽しみにしております!

『くじゅうの生きもの観察会~夏の回~』

・6月22日  担当:田島(昆虫の最盛期にさとばるを歩こう)

・7月27日  担当:宮本(水辺や草原で昆虫たちを探してみよう)

・8月24日  担当:指原(お盆明けの草原を彩る花々に注目)

※雨天時は中止といたします。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

体験プログラム

「くじゅうの生きもの観察会 ~冬~」を実施しました

12月22日(日)、1月26日(日)、2月23日(日)

今年度も九重ふるさと自然学校では、くじゅうに棲む四季折々の生きもの観察をテーマに『くじゅうの生きもの観察会』を毎月第4日曜日に実施しています。

それぞれの回の担当スタッフが得意とする生きものを中心に紹介しながら自然学校のフィールド『さとばる』を散策する、そんな観察会です。

冬の回では観察できる生きものが少なくなりますが、それでも冬ならではの渡り鳥や木々に葉の付いた時期には見つけづらい生きものたちの痕跡を観察できました。また、冬の凛とした空気の下で霜柱を踏みしめながら自然の音に耳を傾けるのもまた一興です。

野鳥ではジョウビタキ、ミヤマホオジロ、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、コゲラ、ベニマシコ、モズ、カケス、ノスリ、アオサギ等が見られました。昆虫では越冬するフタモンアシナガバチやオオカマキリの卵鞘、成虫が脱したクスサンの繭。植物だとサンショウの葉痕やクヌギについたクヌギエダイガタマバチの虫こぶが面白かったですね♪

<冬の観察会で観察できた生きもの>

(冬の観察会の様子)

 バードフィーダーには何をいれているんだろう?
     鳥を探しにいざゆかん!
     もぐら塚がいっぱいだね。
  おーい、私でなく鳥を観察してちょーだい笑
     あそこにいるのは何だ!?
        モズだったね♪

これにて2024年度のくじゅう生きもの観察会は全て終了です!

今年度もたくさんのご参加をいただき誠にありがとうございました。

来年度の観察会は4月からのスタート予定です。その際には春の生きものたちと一緒に是非フィールドでお会いしましょう♪

スタッフ一同、ご参加をお待ちしております☆

体験プログラム

「しめ飾りとミニ門松づくり」を実施しました

2024年12月21日(土)

毎年おなじみ、自然学校の一年の最後をかざるプログラム「しめ飾りとミニ門松づくり」を実施しました。

しめ飾り・門松共に年末に年神様を家に迎える準備として作られる伝統的な縁起物の一つですが、最近は自作される方も少なくなってきているのではないでしょうか。

前々日の降雪の影響で参加者が減り、少数での実施となりましたが、今年はどんな力作が生まれたのでしょうか?

午前中はしめ飾りを作りです。自然学校で育てた稲の藁(わら)を叩いて柔らかくし縄を綯(な)います。今回は19本(奇数は縁起が良いのだとか)の藁を使って左綯いでしめ飾りを作りました。

   まずは屋内で伝統行事に関する説明 
  次に屋外へ。藁を叩いてしならせて・・・
  9本ずつで2束にしたわらを丁寧になって・・・ 
       円形に結びます!
学校敷地内で集めたマツやナンテンを使い装飾して 
          完成!

皆さん素晴らしい力作を作り上げてくれました☆

午前の部はこれにて終了。お昼をはさんで午後はミニ門松づくりを行います。

まずは土台となる竹と中に入れる三本の竹を切っていきます。結構、力が必要な作業になります。

竹を切った後はスチールウールで表面がきれいになるまで磨きます。以上で材料となる竹の準備が完了です。

次に土台の竹の中に三本の竹を立て、形を整えつつ隙間を砂で埋めていきます。

砂を詰め終わったら、三本の竹と土台の竹にしゅろ縄を三重(これも奇数)に結び、しめ飾り同様に装飾していきます。

          完成!!

しめ飾りもそうでしたが、門松は特に皆さんの個性が良く出ており、色んなアイディアがあるものだなとスタッフ一同感嘆させられました。

最後に完成品を手に皆で記念撮影を行いました☆

参加者の全員が自らの手で作り上げたしめ飾りと門松で来年に向けて年神様を迎える準備ができたようです♪

これにて九重ふるさと自然学校の2024年のプログラムは全て終了です。

皆さま、本年は大変お世話になりました。

2025年も素晴らしい年となりますように。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。