地域子ども育成 活 動

ふるさと探検クラブ2024

2024年6月~10月

九重町の子どもたちを対象に、九重町教育委員会と九重ふるさと自然学校が共催で取り組んでいる事業です。2024年度でまる10年となりました。これまで多くの子どもたちと一緒にふるさと九重町内外の自然や人の暮らしを体験することが出来ました。
多くの皆さんにご協力頂き、貴重な体験をすることが出来ましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。
*この活動は大分県「令和6年度おおいた子ども探険団推進事業」として実施しました。

第1回(6月16日) ~幻の魚アカザ再発見プロジェクト~
町内の松木川で2009年に生息が確認されたナマズの仲間「アカザ」。絶滅危惧種に指定されており、筑後川水系ではこの松木川が最上流部の生息域になります。この魚を15年ぶりに発見しようとチャレンジしました。魚類の専門家を講師にお招きし、アドバイスを受けながら子どもたちも自分で石を裏返したり、草陰に網を入れたり…。潜む姿を想像しながらアカザ探しを行いました。
結果は…。
残念ながら当日の再発見はならず。でも講師が事前に捕まえたアカザを観察することができ、ふるさとの河川に棲む宝物を見つけることが出来ました。

松木川での活動のようす。皆で協力して捕まえます。
講師より生きものの説明
これがアカザだ!(大分県絶滅危惧Ⅱ類)

第2回(7月24日~25日) ~源流探検キャンプin奥日田~
筑後川の源流域の一つである奥日田エリア(中津江村・上津江村)を1泊2日で訪れました。1日目には日田市博物館で木材の流通など川と人の生業の歴史や、川の生きものについて、また国土交通省日田出張所では職員の方から河川の管理について教えて頂きました。
川のことを学んだあとは、中津江村へ向かい、まずは鯛生金山地底博物館へ。かつて東洋一の金産出を誇った鯛生金山は、現在は坑道をたどり採掘の様子がわかる博物館となっています。同じ大分県内に東洋一の金山があることも驚きでしたが、坑道は14℃ほどで夏なのに寒さを感じるほどでした。

日田市立博物館での見学
三隈川島内堰にて川の管理のお話
鯛生金山地底博物館にて

2日目は、下筌ダムでカヌーとサップ体験をしました。このダムは洪水対策と水資源の利用のために作られたそうです。1日目に河川管理のお話の中でこのダムについての説明もありましたので、実際のダムの大きさや水の量をカヌーやサップに乗って湖面から体験することが出来ました。
午後は上津江村に移動し、川釣り体験をしました。ここには九重と同じく、筑後川源流の碑があります。源流の水はとても冷たくて透き通っていました。釣った魚は塩焼きに。とっても美味しかったです。
今回は、九重とは違った筑後川の源流部で盛りだくさんの体験をすることが出来ました。
川は人の暮らしや歴史に大きな影響をもたらしたことを改めて知ることとなった2日間でした。

カヌー・サップ体験
放流したニジマスの釣り体験

第3回(8月19日)~平家山の川の生きものしらべと沢歩き~
全国に平家の伝説がありますが、九重町にも平家山という山があります。今回はこの山に残る平家の落人伝説のお話を聞き、平家山地域を流れる野上川の源流部で沢歩きをしました。
川辺の木々が枝を伸ばし、まるで緑のトンネルのようです。川底は一枚岩で歩きやすく、川を遡りながら生きものをさがしたり、水をせき止めてプールを作ったり、沢滑りを楽しんだりと満喫しました。
今回の活動場所は、ほとんどの子どもたちにとって初めての場所で、九重町にはまだまだ知らない素晴らしい自然があることを実感した一日となりました。

川底は一枚岩で歩きやすい
沢滑りを楽しむこどもたち
捕まえた生きものの観察

第4回(9月28日)~タデ原湿原 指山湧水ハイキング~
今年最後の回は長者原タデ原湿原でのハイキングです。来春の野焼きに向けて草刈された防火帯に沿って、普段は歩くことのできない森と湿原の境目を歩きました。そこには湧水があり、川があり、タデ原湿原の木道からは見ることの出来ない景色が広がっており、まさに「ふるさと探検」気分!
湧水は湧き出る場所によって味が違っていたり、きれいな川にミズスマシの仲間や魚がいたりとたくさんの発見がありました。
ハイキングのあとのお弁当は最高に美味しかったです。

九重町は筑後川の源流域です。川でつながる自然や人の暮らしがこれからも豊かであるよう、自分たちに出来ることは何か、この活動が考えるきっかけになればと願います。

お家の方へ活動報告しました