体験プログラム

「親子で楽しむ☆田植えと初夏の生きものしらべ」を実施しました

2025年6月1日(日)

今年も親子で楽しみながら学ぶ「田植えと初夏の生きものしらべ」を実施しました。

午前は田植え、午後は田んぼの生きもの採集・観察と、充実した時間になりました。

九重ふるさと自然学校では、お米の苗も種もみから手作りしています。

4月に種まきしたポット苗は、暖かいビニールハウスの中でぐんぐん成長!

5月に入る頃には、生き生きとした新緑の葉っぱを出しました。

種まきしたポット苗をビニールハウスに据える様子(4月中旬)
続々と葉を出す苗(5月初旬)

そして来たる6月1日、待ちに待った田植えの日を迎えました。

初めにスタッフから田んぼという環境や田植えの仕方について説明。

楽しむだけでなく学びながら体験するというのが、自然学校で大切にしている点です。

 

苗を取り、泥に入って1列に並び、田植え紐で位置を決めたら息を合わせて1株ずつ植えていきます。

初めは慣れない手つきだったお子さんも、後半にはスムーズに!

泥に足を取られることも多々ありましたが、みなさん最後まで熱中し無事に終えることができました!

スタッフより苗について説明中
まずは苗取りから!
さっそく1列になって田植え開始
泥んこもへっちゃら~
家族で和気あいあいと!
皆さんいい笑顔です♪
「田植え完了~!」

お昼を食べて、午後はお待ちかねの田んぼの生きものしらべ!

九重ふるさと自然学校では「自然共生型田んぼ」の名のもと、お米を育みながら生きものも棲みやすい田んぼづくりをおこなっており、様々な生きものが生息しています。

この時期の田んぼの主役はズバリ!「オタマジャクシ」

みなさん網を上手に使ってたくさんのオタマジャクシを捕まえていました。

中には足が生えているものや尻尾が生えている小さなカエルも…

大きなトノサマガエルが捕まった時は、歓声が上がりました!

よーく狙って…
こちらは親子で協力して採集
真剣なまなざしです!
「オタマジャクシゲット!」

にぎやかな採集会の後は、生きもの観察の時間。

最終的にはカエルの他にも、卵を背負ったコオイムシやもうすぐ羽化しそうな赤とんぼのヤゴ、ゲンゴロウやガムシの成虫と幼虫などたくさんの生きものが捕まりました。

生きもの観察会の様子
触ってみるのも観察の醍醐味
たくさん捕れたオタマジャクシ
トノサマガエル
コオイムシ
ガムシの幼虫

あっという間に観察の時間も終わり、最後は今日の活動のまとめ。

生態ピラミッドを使って、田んぼという環境の重要性と生態系について学びました。

生態ピラミッドを使って説明中
親子で熱心に話を聞いてくださいました!

環境の変化などにより田んぼを棲み家とする生きものたちが全国的に減少している現在、みなさんにはぜひ「田んぼはお米だけでなく、多くの生きものたちも育んでいること」を心に留めておいて欲しいと思います。

 

次回の親子で楽しむ☆田んぼプログラムは10月の「稲刈りと秋の生きものしらべ!」

すくすく成長する稲、そして田んぼに棲む生きものたちを見守りながら、次の活動も楽しみにしております。

最後にご参加いただきました皆さまへ、心よりお礼申し上げます。(宮本)

体験プログラム

「くじゅうの生きもの観察会 ~春~」を実施しました

4月27日(日)

今年度も九重ふるさと自然学校では、くじゅうに棲む四季折々の生きもの観察をテーマに『くじゅうの生きもの観察会』を毎月第4日曜日に実施しています。

それぞれの回の担当スタッフが得意とする生きものを中心に紹介しながら自然学校のフィールド『さとばる』を散策する、そんな観察会です。

5月は雨天のため中止となりましたが、4月はさとちゃんこと川野が「春の妖精:スプリングエフェメラルを観察しよう」をテーマに植物の観察会を行いました。

当日は観察会開始以来最多の54名の皆様にお越しいただきました!本当にありがとうございます。

今回は主に野焼き後の草原に咲く花を観察するため、本校の一番奥に位置するカシワの丘まで歩き、その後は虫たちを観察しながら事務所まで戻ってきました。

草原にはキスミレがたくさん見られ、咲き始めのハルリンドウもちらほら。田んぼの周りにはニホンアカガエルの卵や越冬明けのホソミオツネントンボがたくさん見られました。晴天の中、春の虫たちも飛び交い、スジグロシロチョウやミヤマセセリ、アサヒナカワトンボが優雅に羽ばたく様子が見られました。

<春の観察会で観察できた生きもの>

(春の観察会の様子)

 この日は事務所から溢れんばかりの参加者が!
     目指すは「カシワの丘」
   みんなで虫たちを捕まえてみよう♪ 
  こどもたちが捕まえた虫はスタッフが解説。
       トンボを捕まえたよ♪
       ボクはチョウチョ!

次回からは夏の回。

梅雨が過ぎれば一斉に草木が伸び、青々とした雑木林と草原でたくさんの虫たちが出迎えてくれることでしょう。セミの声に耳を澄ませながら、真夏の高原で一緒に様々な生きものたちと戯れてみませんか?スタッフ一同、皆様と観察会でお会いできるのを楽しみにしております!

『くじゅうの生きもの観察会~夏の回~』

・6月22日  担当:田島(昆虫の最盛期にさとばるを歩こう)

・7月27日  担当:宮本(水辺や草原で昆虫たちを探してみよう)

・8月24日  担当:指原(お盆明けの草原を彩る花々に注目)

※雨天時は中止といたします。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

ボランティア受入れ

「自然共生型田んぼの水路整備」を実施しました

2025年5月3日(土)

九重ふるさと自然学校では、ボランティアスタッフの皆さんと園内の散策路や環境整備に取り組んでいます。

■自然共生型田んぼの水路整備(5/3)
 2025年度の自然共生型田んぼづくりの柱の一つとして、数年間休耕田になっていた田んぼの復活に取り組んでいます。田んぼには水を引くための水路が欠かせませんが、復活を試みている田んぼの水路も使用していなかった数年間ですっかり土砂で埋まってしまっていました。今回の活動はこの水路を掘り、再び使用できるようにする活動です。

すっかり埋まってしまっています

土砂で埋まっていた区間は5~6mほど。スコップとクワで地道に掘削し、見事水路として水を流すことができるようになりました。しかし、ここで終わりではありません。水路を埋めていた土砂を水路の近辺に置いたままだと、雨等で再び水路に流入し、今日の作業が台無しになってしまうかもしれません。掘り上げた土砂を少し離れた場所まで運搬してこそ、今日の作業は完了となります。

水が流れるようになりました
掘り上げた土砂の運搬も完了

水路が使用できるようになり、休耕田の復活に大きく前進しました。このような手掘りの水路は管理が大変ではありますが、生きものにとっては流れに変化があったり、出入りが容易であるなど、コンクリートの水路に比べて格段にすみやすいものになります。今回整備した水路にも早速小魚の姿を見かけました。自然共生型田んぼの最奥あたりにありますので、もしよかったら覗いてみてください。

地域子ども育成 活 動

ふるさと探検クラブ2024

2024年6月~10月

九重町の子どもたちを対象に、九重町教育委員会と九重ふるさと自然学校が共催で取り組んでいる事業です。2024年度でまる10年となりました。これまで多くの子どもたちと一緒にふるさと九重町内外の自然や人の暮らしを体験することが出来ました。
多くの皆さんにご協力頂き、貴重な体験をすることが出来ましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。
*この活動は大分県「令和6年度おおいた子ども探険団推進事業」として実施しました。

第1回(6月16日) ~幻の魚アカザ再発見プロジェクト~
町内の松木川で2009年に生息が確認されたナマズの仲間「アカザ」。絶滅危惧種に指定されており、筑後川水系ではこの松木川が最上流部の生息域になります。この魚を15年ぶりに発見しようとチャレンジしました。魚類の専門家を講師にお招きし、アドバイスを受けながら子どもたちも自分で石を裏返したり、草陰に網を入れたり…。潜む姿を想像しながらアカザ探しを行いました。
結果は…。
残念ながら当日の再発見はならず。でも講師が事前に捕まえたアカザを観察することができ、ふるさとの河川に棲む宝物を見つけることが出来ました。

松木川での活動のようす。皆で協力して捕まえます。
講師より生きものの説明
これがアカザだ!(大分県絶滅危惧Ⅱ類)

第2回(7月24日~25日) ~源流探検キャンプin奥日田~
筑後川の源流域の一つである奥日田エリア(中津江村・上津江村)を1泊2日で訪れました。1日目には日田市博物館で木材の流通など川と人の生業の歴史や、川の生きものについて、また国土交通省日田出張所では職員の方から河川の管理について教えて頂きました。
川のことを学んだあとは、中津江村へ向かい、まずは鯛生金山地底博物館へ。かつて東洋一の金産出を誇った鯛生金山は、現在は坑道をたどり採掘の様子がわかる博物館となっています。同じ大分県内に東洋一の金山があることも驚きでしたが、坑道は14℃ほどで夏なのに寒さを感じるほどでした。

日田市立博物館での見学
三隈川島内堰にて川の管理のお話
鯛生金山地底博物館にて

2日目は、下筌ダムでカヌーとサップ体験をしました。このダムは洪水対策と水資源の利用のために作られたそうです。1日目に河川管理のお話の中でこのダムについての説明もありましたので、実際のダムの大きさや水の量をカヌーやサップに乗って湖面から体験することが出来ました。
午後は上津江村に移動し、川釣り体験をしました。ここには九重と同じく、筑後川源流の碑があります。源流の水はとても冷たくて透き通っていました。釣った魚は塩焼きに。とっても美味しかったです。
今回は、九重とは違った筑後川の源流部で盛りだくさんの体験をすることが出来ました。
川は人の暮らしや歴史に大きな影響をもたらしたことを改めて知ることとなった2日間でした。

カヌー・サップ体験
放流したニジマスの釣り体験

第3回(8月19日)~平家山の川の生きものしらべと沢歩き~
全国に平家の伝説がありますが、九重町にも平家山という山があります。今回はこの山に残る平家の落人伝説のお話を聞き、平家山地域を流れる野上川の源流部で沢歩きをしました。
川辺の木々が枝を伸ばし、まるで緑のトンネルのようです。川底は一枚岩で歩きやすく、川を遡りながら生きものをさがしたり、水をせき止めてプールを作ったり、沢滑りを楽しんだりと満喫しました。
今回の活動場所は、ほとんどの子どもたちにとって初めての場所で、九重町にはまだまだ知らない素晴らしい自然があることを実感した一日となりました。

川底は一枚岩で歩きやすい
沢滑りを楽しむこどもたち
捕まえた生きものの観察

第4回(9月28日)~タデ原湿原 指山湧水ハイキング~
今年最後の回は長者原タデ原湿原でのハイキングです。来春の野焼きに向けて草刈された防火帯に沿って、普段は歩くことのできない森と湿原の境目を歩きました。そこには湧水があり、川があり、タデ原湿原の木道からは見ることの出来ない景色が広がっており、まさに「ふるさと探検」気分!
湧水は湧き出る場所によって味が違っていたり、きれいな川にミズスマシの仲間や魚がいたりとたくさんの発見がありました。
ハイキングのあとのお弁当は最高に美味しかったです。

九重町は筑後川の源流域です。川でつながる自然や人の暮らしがこれからも豊かであるよう、自分たちに出来ることは何か、この活動が考えるきっかけになればと願います。

お家の方へ活動報告しました
ボランティア受入れ

ボランティアの皆さんと園内整備を実施しました

2025年3月15日(土)

九重ふるさと自然学校では、広大な園内のフィールド整備をボランティアの皆さんと定期的に行っています。
今回は昨年秋から冬にかけて実施した活動をふり返ってみたいと思います。

まずは「ススキのテントづくり」から。
これは毎年秋に作り替えを行っている恒例行事です。
草原に生えているススキと竹だけで作る、自然素材100%のナチュラルテント。
阿蘇では「草泊(くさど)まり」と呼んでいて、秋の干し草刈りの時に1週間程度寝泊まりしながら草を刈るために使っていたそうです。
竹を切って骨組みを作り、割った竹と刈ったススキで葺いていく素朴なものですが、作業時間は約6時間。
どこから見ても美しい見事なテントが完成しました!
草のいい~香りがして、寒空の下でもほっこり暖まります。
ぜひ入ってみてくださいね。

骨格はゴサンチクを使います
ハチクを割ります。均等に割るのが意外に難しいのです
ススキの刈取り。量はおよそ3畳のブルーシート2枚分強。なかなかの重労働です
ススキを葺いて、ハチクで固定していきます
入口は可愛くカットして仕上げ
完成!なんと1年間はもつ耐久性があります

お次は「ベンチづくり」
昨春整備した雑木林からの素晴らしい眺望をのんびり楽しんでもらおうと、ボランティアさんの提案で実現した企画です。
コンクリートの土台を基礎にして、木目の美しい一枚板を載せたベンチ。
制作段階で工法や材料、塗装方法などアイデアをいただきながら2日間かけて完成しました。
5月の新緑の時期には、雑木林に射すこもれびと爽やかな風を浴びながら、くじゅう連山をバックに草原が連なる絶景を楽しめると思います。

コンクリートの基礎で土台づくり
木目を生かす塗料を塗っていきます
思わず座りたくなるベンチが完成!
山は東の平治岳から西の涌蓋山まで、飯田高原を一望

最後は「落ち葉かき」です。
自然学校の建物周りには雑木林が広がっていて、12月になると大量の落ち葉がどっさり!
落ち葉をかくことで、その下で春を待つ植物が芽を出しやすくなります。
活動後にはたくさんのスミレの仲間が顔を出していて、葉っぱがひときわみずみずしく映りました。
スミレ類はヒョウ柄のチョウ(ヒョウモンチョウの仲間)の幼虫が必要とする植物(エサ)なので、来シーズンは森の中をひらひら舞う姿を期待したいですね。
そして、落ち葉かきをした後は恒例の落ち葉で焼き芋!
楽しくおしゃべりしながら、1時間かけてじっくり焼き上げました。
作業はなかなかの重労働で大変ですが、焼き芋の旨さで疲れも吹っ飛びます。
みなさ~ん、大変おつかれさまでした!

ブルーシートに落ち葉を集めて軽トラへ
勝手に命名「ふみふみ隊」。落ち葉が圧縮されてたくさん運べるようになります。いい仕事してますねぇ
一昨年、落ち葉かきをしたものは腐葉土になって、カブトムシの幼虫のベッドに
みいれが池に生えているガマの穂。その先っぽにはバッタが!モズの仕業「はやにえ」です
落ち葉で焼き芋作り。芋の上に落ち葉をかけながら焼いていきます
美味し~い焼き芋ができました。大成功!!!

九重ふるさと自然学校ではボランティア活動に参加してくださる方を随時募集しています。
興味のある活動にまずは気軽に参加してみませんか。
特別な技能など特に必要ありませんのでご安心を!
対象は中学生以上ですが、活動によっては小学生も相談可です。
こちらから現在募集中の活動をのぞいてみてください。
皆さまと一緒に活動できるのを楽しみにしています!