体験プログラム

「自然で遊ぼう!おやとこ~田んぼの巻~
しめ飾りとミニ門松づくり」を実施しました

2022年12月10日(土)

今年の「自然で遊ぼう!おやとこ~田んぼの巻~」もこれで締めくくり!
収穫した稲わらや竹などを使って、お正月飾りを作り、新年を迎える準備をしました。

しめ飾りや門松は、新しい年の神様(年神様)を家に迎え入れるためのものです。そのため、竹や松、梅などの材料は、縁起が良いとされるものがたくさん使われます。
その中でも稲わらは、昔からしめ縄だけでなく、牛馬の手綱やわらじ、米俵など暮らしの中で活用されてきました。使った後は燃やして灰にし、それを田んぼにまくことで土に還り、また実り多きお米となって収穫される。その絶え間ない循環によって、わらは「永遠の命」の象徴として考えられてきました。
自然学校のわらは、お米も生きものも育む、自然との共生を目指す田んぼでとれたもの。自然への感謝と、よい年になりますようにと願いを込めて、まずはしめ飾り用のしめ縄を綯いました。

しめ縄用のわらを選びます
家族で協力しながら、立派な縄が綯えました

しめ縄作りの後は、飾りつけの素材を野外に探しに出かけます。
マツの葉やまつぼっくり、ナンテンなどの縁起物の他にも、色鮮やかな木の実などを採集しました。

お目当ての木の実。どれにしようかな~
出来上がりを想像しながら採るのが楽しい!

最後の飾りつけはお好みで、趣向を凝らしながらデコレーション。新年を祝う、お気に入りのしめ飾りが完成しました。

しめ飾りは、年神様を迎えることのできる清浄な場所を示す目印になります
しめ飾りとクリスマスリースをリバーシブルで楽しめる、アイデアたっぷりの作品も

さて、しめ飾りづくりの後は、ミニ門松づくりです。
門松は年神様の依り代(よりしろ)になります。年神様が迷わずに家に訪れることができるための道しるべとなる大切なものです。
太いモウソウチクやハチクを切って、組み上げていきます。
皆さん夢中で作業し、気づけばあっという間に90分が経過。
しめ飾りと同様に、個性あふれる門松が完成しました。

硬い竹に苦戦しながらも、ノコギリの使い方が上手になりました
土台に竹を立てて砂を詰めていき、飾りつけ

現代では、お正月飾りを買うことが当たり前になりました。
だからこそ、自分で作ったもので迎える新年は、ひと味違う特別感を味わうことができます。
自然のものに触れ、気持ちを込めて作ることで、自然と向き合い、自然への感謝の気持ちにも気づかされます。

おやとこ~田んぼの巻~では、自然と共生する田んぼづくりを通じて、来年も「自然の恵みへの感謝」や「生きものの棲みかとしての田んぼの大切さ」を伝えていきたいと思います。
今年もご参加いただき、ありがとうございました!

2023年、皆さんのおうちに福が舞い込みますように☆彡
体験プログラム

「自然で遊ぼう!おやとこ~田んぼの巻~
新米を食べよう!収穫祭!」を実施しました

2022年11月3日(木・祝)

6月の田植えから始まった「おやとこシリーズ」も10月の稲刈りを経て、今回で第3回目。

今回の活動では「稲」が食べられる「お米」になるまでの工程の体験や田んぼの生きものしらべを行いました。

 

もちろん使用する稲は参加者の皆さんと育ててきた自然共生型田んぼ産です。

まずは稲から「籾」を外す脱穀を体験。

今回は、割り箸や牛乳パックを使った方法で行いました。

割り箸で挟んで脱穀。
こちらは牛乳パック。
きれいに外れると気持ちがいい~!

次は脱穀した籾から籾殻を外す籾摺りを体験。

すり鉢と野球ボール、木板を使って行いました。

器用に野球ボールでこすり、籾摺り。
籾殻は息を吹きかけて飛ばします。

籾摺りを終えると稲は「玄米」となりました。

このあと玄米を「白米」にする精米という工程がありますが、この作業はとても時間が掛かるため今回は省略。

事前に用意していた白米を用いて飯ごう炊さんを行いました。

火種となる杉の枯れ葉を集める様子。
親子で協力して火起こし。

「なかなか火がつかない」、「中の様子はどうだろう…」など様々な声が飛び交っていましたが、最後はどの家族もホクホクのお米が炊けていました。

 

また今回の活動では、農機具の体験も行いました。

先ほどまで少しずつ脱穀していた籾も足踏み脱穀機を使えばあっという間!

息を吹きかけ飛ばしていた籾殻やワラくずは、唐箕がいっぺんに飛ばします。

巧みに脱穀や籾の選別をする仕組みに感心し、農機具の便利さを実感する体験となりました。

足踏み脱穀機の体験。手と足のタイミングを合わせるのが難しい。
唐箕の体験。見慣れない農機具に興味津々。

後半は、恒例の田んぼで生きものしらべ。

思い思いの場所や方法で、ミズカマキリ、ガムシ、コガタノゲンゴロウ、タカハヤ、コオイムシなどを捕まえました。

友達と協力して生きもの採取。
隠れていそうな場所をガサガサ。
スタッフより捕まえ方を伝授。
生きものはケースに入れて観察しました。

収穫祭を終え、田んぼでの活動も一区切り。

今年も田んぼは、美味しいお米と共に多種多様な生きものを育んでくれました。

九重ふるさと自然学校では「自然の恵みへの感謝」や「生きものの棲みかとしての田んぼの大切さ」を今後も伝えられるように活動していきたいと思います。

 

次回の自然で遊ぼう!おやとこシリーズの活動は「しめ飾りづくりとミニ門松づくり」です。

収穫したワラを利用し、正月飾りをつくります。お楽しみに!

体験プログラム

「自然で遊ぼう!おやとこ~田んぼの巻~
稲刈りと秋の生きものしらべ」を実施しました

2022年10月10日(月・祝)

自然共生型田んぼも田植えから4か月が過ぎ、
今年もたくさんの生きものたちと共に稲が成長しました。
稲穂が重そうに頭を垂れていた10月10日、稲刈りを行いました。
稲刈り用の鎌を使って、1株ずつ手作業で刈っていきます。
刈り進むうちにどんどん上達し、
スムーズに刈り終えることができました。

みんなで一斉に稲刈り。素早く刈り終えました。

刈った稲は根元をワラひもで縛り、竹竿に干していきます。
逆さに干して日光でじっくり乾燥させることで、
葉や茎に残った栄養分が穂に行き渡り、
お米が一層美味しくなると言われています。
2週間ほど晴天が続けば、いよいよ新米が食べられます。

ワラで縛るのはコツがいる作業でした。
竹竿に干します。美味しいお米になりますように。

稲刈りの後はビオトープで生きもの採集。
稲刈りの為に田んぼの水を抜いた分、
生きものたちはビオトープに集まっていたのか、
ゲンゴロウの仲間やヤゴを中心に
たくさんの水生昆虫が見つかりました。
もちろんサワガニ、カエル、ドジョウなどの
他の生きものも健在。
自然共生型田んぼはこの時期も生きもの豊富でした。

ゲンゴロウが大漁でした。

この後、田んぼは掛け干しが終わり次第
田植え前まで水を張る「冬期湛水」に入ります。
冬に水を張り続けることで、
イトミミズなどの土壌生物が活発に活動し、
豊かな土を作ってくれます。
またそれらの生きものをエサとする
カモなどの水鳥も飛来し、
冬の田んぼは一味違う景色を見せてくれることでしょう。
自然共生型田んぼにお休みはありません。
近くにいらした際はぜひお立ち寄りください。

ボランティア受入れ 九重の自然保護・保全

【モニタリングサイト1000里地調査】
ボランティアの皆さんとチョウ類調査を実施中

2022年11月12日(土)

九重ふるさと自然学校では、2018年度から環境省モニタリングサイト1000里地調査における「チョウ類調査」に取り組んでいます。
今シーズンもボランティアの皆さんと一緒に、調査を行いました。

高原の爽やかな風を感じながらの調査。大きな捕虫網で採集します

さて、日本には何種類のチョウがいるかご存知ですか。
国内では約240種、そのうち大分県で128種、そしてこの5年の調査で自然学校のフィールド「さとばる」には71種のチョウが生息していることが分かりました。

採集したら種類を判別して記録

チョウは、それぞれの成長段階で植物との関わりが深い昆虫です。
①幼虫は植物の葉を食べ、種類ごとに食べる植物(食草と呼びます)が異なります。
②成虫になると、花の蜜や樹液を吸います。
(*一部、アブラムシを食べる幼虫など例外もあります)
様々な種類の植物がある環境は、より多くの種類のチョウが生息しやすく、また、季節を追って様々な花が咲くため、貴重な食料庫と言えるでしょう。

キアゲハの幼虫はハナウドなどセリ科の植物を食べる
カシワの樹液を吸うルリタテハ
蜜を求めて多くのチョウが集まるウツボグサ。調査は春から秋まで実施。その都度、草木の花々に癒されます
梅雨頃に咲くカノコソウ。秋の七草オミナエシと同じ仲間です

さとばるは標高900mの冷涼な気候であるとともに、草原や湿地、雑木林、人工林、畑など様々な環境がまとまっています。
規模は小さくとも、多様な環境がある生態系があればそこに生育する植物も多種多彩。
周辺に広がる同じような生態系とのつながりも、70種を超えるチョウの貴重な生息地になっています。

【さとばるの代表的なチョウ①】
ハンカイソウで吸蜜するウラギンヒョウモン(中)とオオウラギンスジヒョウモン(左・右)
【さとばるの代表的なチョウ②】
クヌギの葉で羽を休めるムラサキシジミ

このように植物に依存している多くのチョウにとって、環境の変化は死活問題です。
例えば、草原が時とともに森に変化すれば、草原のスミレを食べるヒョウモンチョウの仲間は姿を消します。
森が開発によってなくなれば、クヌギなどの木に産卵するシジミチョウの仲間は世代を繋げられません。
つまり、チョウの生息状況を継続的に調べることで、調査地の環境変化が分かり、植生(植物の集まり)の状態を評価することができるのです。チョウは地域の自然の豊かさをはかる「ものさし」、環境指標の生きものの一つと言えるでしょう。
彼らを見守りながら、環境保全活動を進め、九重の自然を次世代へ繋げていきたいと思います。

求愛するツバメシジミ
体験プログラム

10月16日(日)「草原自然観察会 あきの回」を実施しました

2022年10月23日(日)

前回の夏の観察会から約2か月たち、青々していた草原は白銀色に衣替えしました。
そんなススキの穂が風になびく飯田高原らしい秋の日和に、草原観察会を実施しました。

出発前、思いがけない珍客が姿を見せてくれました。
ジムグリというヘビです。漢字では「地潜」。地面や石の下にもぐる習性があります。

赤褐色の鮮やかな体は子どもの証。大人になると黒いまだら模様に変化します
無毒ですが、驚かさないようにそっと観察

さて、草原に行ってみると夏には見られなかったリンドウやウメバチソウ、ヤマラッキョウなどの秋の草花が多く咲いていました。
足元に咲く色とりどりの花を見つけながら、散策を楽しみました。

ススキの穂が光っていてとてもキレイでした
ウメバチソウ

子どもたちには虫捕り網で昆虫採集の係をお願いしました。
花に集まるキチョウやウラナミシジミ、ウラギンヒョウモンといったチョウをはじめ、コオロギやイナゴ類、赤トンボ類のナツアカネやノシメトンボなどを観察することができました。

キチョウをゲット!
エンマコオロギを発見もなかなか鳴かないので、鳴き声グッズでコロコロコロ♪

また、草原の味を感じてもらおうと、九重で食用にされてきた野草の味見コーナーも。
地元で通称アオタデ(タデ科、ヤナギタデのこと)と呼ばれ、香辛料にもなる葉などをかじって味わってみました。

この顔!さぁ、どんな味だったでしょうか!?
アオタデ
ススキのテントにもはいったよ~

今回、観察した生きものたちは、どれも草原の環境が好きで、草原がないと生きていけないものばかりです。
九重の草原は代々、野焼きや放牧など人間の営みによって維持されてきました。
しかし、草原は時代とともに日本から次々と姿を消しています。

日本の気候は温暖で雨が多いため、手を入れなければほとんどの場所で最終的に森になる

人間の関わりによって長い年月をかけて育まれてきた草原の生態系。
手を入れることで守られる自然、生きものをこの先も楽しみたいですね。