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季節の便り~2月~

2021年2月5日(金)

1月の便りで、ナンテンの赤い実を紹介しましたが、この実は
ヒヨドリなど野鳥たちの大事なエサとなります。

ヒヨドリ(ヒヨドリ科)
果実や花の蜜を主食としますが、花の少ない冬は主に植物の実を食べます。

野鳥にとっては、冬の貴重な食糧となりますが、食べられる側の
植物にとってもタネを運んでもらえるというメリットがあります。
自分で移動できない植物は、タネが唯一の移動手段。
野鳥が食べることで、遠くにたくさんのタネを運んでもらえるのです。

高尾の森自然学校の冬の森には、ほかにもたくさんの植物の実を
発見することができますのでご紹介します。

マンリョウ(ヤブコウジ科)
 昔からセンリョウ(千両)と並んで縁起の良い植物として庭などに植えられることも多い常緑の低木。赤い実がたくさんつく姿が、冬の林床にとても良く映えます。
アオキ(アオキ科)
 庭木などにもよく使われていて、斑入りの品種などもある常緑低木。大きめの赤い実を冬の間中楽しむことができます。
ヒサカキ(ツバキ科)
 関東ではサカキの代わりに神棚などにお供えされる常緑の低木。冬のこの時期に、黒い小さな実がたくさんなっているのを見ることができます。自然学校でも鳥のフンの中にこの実のタネを見ることがあります。

これらの植物の実は、じつは目立つ割にお世辞にもおいしい
とは言えなく、鳥たちもお腹が空いたときに仕方なく食べるようです。
そのためすぐに食べつくされることがなく、冬の間長く実ってます。
なかなか運んでもらえないことは植物にとってデメリットな気が
しますが、一度に食べつくされないことで、いろんな鳥にあちこちに
運んでもらうことができ、植物の巧みな戦略ともいえるのです。