体験プログラム

「親子で楽しむ☆稲刈りと秋の生きものしらべ」を実施しました!

2025年10月5日(日)

6月1日の田植えから約4カ月。

田んぼプログラムに参加したみなさんと植えた稲は夏の猛暑にも負けず、すくすくと育ち、たくさんの実をつけました。季節を追って観察すると、その成長過程が分かります。

6月4日
7月3日
7月31日
9月12日

そして、待ちに待った10月5日「稲刈りと秋の生きものしらべ」を実施しました。

稲穂にぷっくりとした実がたくさんつき、全体が黄金色になった収穫によい時期です。

今回は田植えに参加された多くの方々にもご参加いただき、とてもにぎやかな活動となりました。

10月3日の様子
稲穂にはたくさんの実がついています

自然学校の稲刈り体験では稲刈りから結束、掛け干し(はざかけ)までを実施しています。

 

※掛け干し(はざかけ)とは?

刈った稲を束にし、竹竿などに掛けて自然乾燥をさせる方法。天日と風でじっくり乾燥させることで米の品質を保ち、旨味を凝縮する効果があるといわれています。

 

稲刈り初体験のお子さんがたくさんいましたが作業を進めるほどに手際が良くなり、終わるころには夢中になっていました。

スタッフの話を真剣なまなざしで聞く姿、親子で声を掛け合いながら協力して作業をする様子、そして何よりたくさんの笑顔がとても印象的でした。

スタッフより稲刈りの仕方について説明中
いざ、稲刈りスタート!
鎌を使って、ザクザク♪
上手に刈れています!
稲の中からひょっこり!
親子でみなさんいい笑顔です
わっせわっせと稲運び♪
刈った後はこれまた大変、しばる作業!
ボランティアさんと協力して。「上手にしばれたよ♪」
最後は竹竿に掛け干し
束ねた稲を2つに分けて… 
「みて、みて!お米がたくさん!ドヤァ」
1時間半ほどで見事、稲刈りが完了しました!

午後はみなさん楽しみにしていた田んぼの生きものしらべ。

生きものの避難場所として水を溜めている田んぼビオトープや畔などでみなさん思い思いに網を振るい、ガムシやトノサマガエル、数種類のヤゴ(トンボの幼虫)などを捕まえていました。

また今回は田んぼの周囲を飛び回る「赤とんぼ」にも注目!

観察の時間に捕まったものを確認すると、ナツアカネやリスアカネなど4種類の赤とんぼが飛んでいることが分かりました。

秋はどんな生きものがいるかな~?
何か見つけた様子!力いっぱい手を伸ばして…
「あそこにトンボがいる~!」
お待ちかねの生きもの観察の時間
興味深そうに水生昆虫を観察中♪
ナツアカネ
ギンヤンマのヤゴ
トノサマガエル

最終的に合計で30種類の生きものを観察することができました。

田植えのときにたくさんいたニホンアカガエルがオタマジャクシもカエルもいなくなっていたり、逆にヒメゲンゴロウの数やヤゴの種類が増えていたり…。

1年を通して田んぼが色々な生きものたちの住処になっていることが学べる、そんな生きものしらべの時間になりました。

 

これにて今回の活動は終了。

みなさんと掛け干しした稲はこれから太陽の光と風を受けながらじっくりと乾燥し、うまみが凝縮した美味しいお米になっていきます。

そうして収穫したお米は次回の田んぼプログラム「新米を食べよう!収穫祭」にて、実食する予定ですのでお楽しみに♪

また、ボランティアスタッフさんにはスタッフと参加者の補助、安全管理にご協力いただきました。ありがとうございました。

今年も無事に田植えから稲刈りまでを終えられたこと、心より嬉しく思います。

おしまい

体験プログラム

「田んぼの生きものさがし」を実施しました!

7月13日(日)、8月17日(日)、9月13日(土)

今年度も7・8・9月に各1回「田んぼの生きものさがし」を実施しました。

このブログラムは皆さんに田んぼというフィールドがお米を生産する場だけでなく、様々な生きものの生活の場として機能していることを知ってもらうこと、当校の自然共生型田んぼを通して人と自然の共生について皆さんに考えていただくことを目的に実施しております。

標高1000m近い飯田高原の大自然の中、田んぼで暮らすたくさんの生きものたち。

初夏・盛夏・初秋の観察においてどのような変化が見られたのでしょうか?

さあ、楽しい採集の時間です!何が見つかったのでしょうか??(9月)

田んぼに着いてすぐに生きもの探しを開始☆

進んでビオトープの中に入っていく参加者の皆さん。

泥がひんやりして気持ちがいい!わっ、サンダル埋まっちゃった笑!賑やかな声があちらこちらから聞こえてきます。

いざビオトープの中へ!生き物たくさん採るぞ!(8月)   
まずは畔の際から水草の根元をすくってみよう♪(7月)
 

生きもの探し開始直後から歓声が上がります!見ると、参加者の皆さんの網の中にはうごめくたくさんの生きものたちが!

よく見つかるのはガムシやコオイムシ。ガムシはゲンゴロウに似た大きな甲虫です。泳ぐのがゲンゴロウに比べてあまり上手ではなく、水中ではお腹に空気をため込むため、腹部の空気がキラリと光ります。コオイムシは水中に棲むカメムシの仲間。メスがオスの背中に卵を産み、オスが「子を背負う」ことが名前の由来です。

ガムシ(左上)とその幼虫(下)、 コシマゲンゴロウ(右)
 
卵を背負うコオイムシ。他の虫と同じ容器に入れると捕まえて食べてしまいます
 

今回の3回のプログラムでは季節によって同じ生きものでも違った姿を見ることができました。例えば、7月にはトノサマガエルやツチガエルのオタマジャクシがいっぱいいましたが、8月には小さな子ガエルが多くなり、9月にはほとんどが立派なカエルに姿を変えていました。このように生きものたちの成長を感じることができるのも本プログラムの特徴です♪

トノサマガエルの子ガエル(7月)
トノサマガエルの成体(9月)

また、3回のプログラムで見られる生きものの数や種類も異なります。今年の7月はシマゲンゴロウがたくさん見られ、8月には成虫も幼虫も含めてオニヤンマやミヤマアカネ等のトンボ類が最盛期でした。9月には前2回で見られなかったコガタノゲンゴロウがたくさんいたほか、自然学校では珍しいクロゲンゴロウも見られました。

このように生きものたちとの出会いは一期一会。スタッフとしても毎回どのような生きものが見つかるのかがとても楽しみです。

シマゲンゴロウ
コガタノゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、コオイムシ幼虫

採集を終えた後は皆で観察の時間!

皆で一生懸命に捕まえた生きものたちをスタッフが解説しました。7月は23種、8月は26種、9月は28種もの生きものが確認できました♪

スタッフがそれぞれの生きものを解説!(9月)
スタッフがそれぞれの生きものを解説!(9月)

まとめにはスタッフが田んぼを例とした生態ピラミッドについて説明。たくさんの生きものの食物網と相互作用の中で生態系が成り立っていることをお話しました。小さなお子さんには理解が難しい内容でしたが、みんな一生懸命に耳を傾けてお話を聞いてくれました。どうもありがとう!

生態ピラミッドでこの生きものはどこに位置づけられるだろう?(7月)
みんな熱心に考えてくれました!(8月)
生きものメモ(9月)
 たくさんのヒメゲンゴロウ(9月)

これにて今年度の田んぼプログラムは終了。このプログラムを運営していて毎回感じることは、参加者の皆さんがその時々のプログラムを作り上げてくださっていること。皆さんが一生懸命に捕まえてくれる生きものたちが毎度たくさんの学びを与えてくれます。今年も「田んぼの生きものさがし」へのたくさんのご参加、どうもありがとうございました!

来年もお待ちしております♪

最後に、今年度ご参加いただいた皆さまの様子を一部ご紹介♪

またね~☆

ボランティア受入れ

「みいれが池の生きもの救出活動」を実施しました

2025年9月23日(火・祝)

■みいれが池の水抜きと生きもの救出(9/23)
 九重ふるさと自然学校の事務所前には「みいれが池」という池があり、水生昆虫やカエル、ドジョウなどの止水域を好む生きものや水鳥が生息する貴重な水辺環境となっています。しかし、このみいれが池は近年、土砂の流入や入水路の劣化などにより、十分な水量を保つことができなくなったためか、岸辺を中心にヨシやガマが繁茂し、水域が徐々に縮小傾向にありました。そのため、一度池の水を抜き、池全体を深く掘るなどの整備を行うこととなりました。

2019年
2024年(岸辺からのヨシ・ガマの繁茂が激しい)

 池の水を抜く際、カエルや飛行できる水生昆虫などは自力で脱出できますが、ドジョウやヤゴなどは行き場をなくし、どうしようもありません。そこで、水が完全になくなってしまう前にみいれが池の生きものを採取し、ビオトープなどに移す救出活動を実施しました。

水が少なくなった池で生きもの採取

 胴長を着用し、泥に足を取られながらの生きもの採取は大変でしたが、オタマジャクシ、ドジョウ、ヤゴなどの自力での脱出が不可能な生きものたちに加え、ゲンゴロウ類などの水生昆虫も多数採取することができました。採取した生きものたちは、ビオトープ、ある程度水深のある池など、それぞれが好む環境に合わせて移ってもらいました。

採取した生きものを種類ごとに分別
泥の中に潜んでいたドジョウたち
ヤゴも多数救出
生きものを自然学校のビオトープに放流

 みいれが池は整備が終わるまでこのまま水を抜いた状態が続きます。整備が完了し、十分な水量が安定するようになれば、ビオトープなどに移した生きものたちも戻ってきてくれることでしょう。
 また、この機会にみいれが池は「増えすぎたヨシやガマも完全になくしてしまうのではなく、適度に繁茂してもらう」、「水深に変化を持たせ、深いところを好む生きものも浅いところを好む生きものも暮らしやすい環境を創出する」「水鳥が安心して子育てできる環境を用意する」など、生物多様性を向上させることも意識した整備を行う予定です。来園者の皆様には今まで以上に豊かな自然に親しむことのできるフィールドに生まれ変わることと思いますので、整備を終えたみいれが池をぜひ訪れてみてください。
 ※整備は2026年春完了予定です。

体験プログラム

プログラム「夜の昆虫観察会」を実施しました!

2025年7月26日(土)

今年初めて行うプログラム「夜の昆虫観察会~ライトトラップで虫集め~」を実施しました。

ライトトラップとは昆虫が光に集まる性質を利用した光で虫を集めるワナのことです。

このブログラムは普段の生活ではなかなか見ることができない夜に活動する昆虫たちをライトトラップやナイトハイクで観察し、園内で見られた昆虫と周辺環境の関係性について皆さんと一緒に考えることを目的に実施しております。

雑木林や草原、田んぼ、畑など色々な環境がとなりあう自然学校のフィールドで、どんな昆虫たちの姿を見ることができたのでしょうか?

当日は台風の影響で風が強く、時折雨が降る不安定な天候のため、少人数での実施となりました。

まずはスタッフが活動の内容と注意する生きものについて説明をし、日が暮れたタイミングでライトを点灯!どんな虫たちが姿を見せてくれるでしょうか。

今日はどんな虫が見られるか、   
ワクワクドキドキ     
色とりどりのライトが点灯。まるでUFO。

ライトトラップに虫が集まるまで少し時間があったことから、初めにガ(蛾)が大好きなスタッフ「がっちゃん」によるスライドトークを行いました。題して、「実はおもしろいガのはなし」。

大変マニアックな内容でしたが、ガの擬態(ぎたい)クイズはとても盛り上がりました。

スライドトークが終わったころにはいつのまにか外は真っ暗に。さて、ライトトラップには何か飛んできているでしょうか??

あっちにもこっちにも虫が来てる!
コガネムシがいっぱいだ!!

まず目につくのはたくさんのコガネムシたち。ほとんど同じ種ですが、よく見ると複数種類が集まっていることに気が付きます。オオスジコガネやサクラコガネ、ヒメコガネ・・・。

日没直後にはコガネムシが集まることが多いです。他には数多くのガの仲間やヘビトンボなどの水生昆虫が次から次に飛んできます。

珍しいシロテンコウモリ(※ガです)
がっちゃん、一人だけ大喜び
子どもの手のひらサイズの大きなガ
クルマスズメ

雨が弱まってきたタイミングで少しの間ナイトハイクに出発。夜の自然学校のフィールドを歩いてみました。

準備ができたら、出発!
五感を研ぎ澄ませて
闇夜の生きものたちを探します

まず見つかったのは羽化の最中のヒグラシ。脱皮途中のセミはまだ体がやわらかく真っ白です。羽化の最中に天敵に襲われることも多いよう。見慣れない虫たちの姿に皆で大興奮。 他にも次から次へと色々な生きものが見つかります。

羽化するヒグラシ
眠って休むナミアゲハ
枯れ葉のような大きなガ
アケビコノハ
小枝のようなエダナナフシ

雑木林の中に入り、クヌギの木を照らしてみると時折パッとガが飛び立ちます。ガが止まっていた箇所をみると樹液が出ています。下翅(したばね)がピンクで美しいベニシタバがあちらこちらに。

     ピンクが美しいベニシタバ。     
ガの中では人気があるカトカラの仲間
樹液の近くにいたシュレーゲルアオガエル
樹液に集まる虫を狙っていたのでしょうか?

さて、生きもの探しに熱中すると時間が経つのはあっという間です。室内に戻ってからはスタッフによる標本づくりの実演。昼間に採取したチョウを実際に標本にし、標本の作り方についてレクチャーしました。

最初は難しい標本づくり      
数をこなすのが上手になる秘訣       
完成!このまま一か月ほど乾燥させ、
標本の出来上がりです

最後は本日のまとめ。

ライトトラップとナイトハイクで集まった昆虫を見ると周辺の環境と深く関係していることが分かります。例えば、シロテンコウモリの幼虫はサトイモを食べることが知られますが、自然学校の敷地には畑があり、サトイモも植えられています。ヘビトンボは清流にすむ虫ですが、学校の裏には水の澄んだ小川が流れています。樹液に来ていたベニシタバは幼虫がヤナギ類の葉を食べ、成虫はクヌギ等の樹液に集まりますが、自然学校の敷地内にはどちらの木も豊富にあります。このように地域の虫を観察することで虫たちが周辺の環境について色々なことを教えてくれます。今身近にいる虫たちも何年後かには環境の変化でいなくなってしまうこともあります。皆さんも身近にいる虫たちに少しでも目を向けて一緒に考えてもらえたらうれしいです。

観察会のまとめ
セダカシャチホコの面白いお顔

これにて夜の昆虫観察会はおしまい。

もうすぐ夏も終わり。皆さんも自然の中で虫たちを愛でてみるのはいかがでしょうか。

またぜひ、自然学校のフィールドでお会いしましょう!

体験プログラム

「親子で楽しむ☆田植えと初夏の生きものしらべ」を実施しました

2025年6月1日(日)

今年も親子で楽しみながら学ぶ「田植えと初夏の生きものしらべ」を実施しました。

午前は田植え、午後は田んぼの生きもの採集・観察と、充実した時間になりました。

九重ふるさと自然学校では、お米の苗も種もみから手作りしています。

4月に種まきしたポット苗は、暖かいビニールハウスの中でぐんぐん成長!

5月に入る頃には、生き生きとした新緑の葉っぱを出しました。

種まきしたポット苗をビニールハウスに据える様子(4月中旬)
続々と葉を出す苗(5月初旬)

そして来たる6月1日、待ちに待った田植えの日を迎えました。

初めにスタッフから田んぼという環境や田植えの仕方について説明。

楽しむだけでなく学びながら体験するというのが、自然学校で大切にしている点です。

 

苗を取り、泥に入って1列に並び、田植え紐で位置を決めたら息を合わせて1株ずつ植えていきます。

初めは慣れない手つきだったお子さんも、後半にはスムーズに!

泥に足を取られることも多々ありましたが、みなさん最後まで熱中し無事に終えることができました!

スタッフより苗について説明中
まずは苗取りから!
さっそく1列になって田植え開始
泥んこもへっちゃら~
家族で和気あいあいと!
皆さんいい笑顔です♪
「田植え完了~!」

お昼を食べて、午後はお待ちかねの田んぼの生きものしらべ!

九重ふるさと自然学校では「自然共生型田んぼ」の名のもと、お米を育みながら生きものも棲みやすい田んぼづくりをおこなっており、様々な生きものが生息しています。

この時期の田んぼの主役はズバリ!「オタマジャクシ」

みなさん網を上手に使ってたくさんのオタマジャクシを捕まえていました。

中には足が生えているものや尻尾が生えている小さなカエルも…

大きなトノサマガエルが捕まった時は、歓声が上がりました!

よーく狙って…
こちらは親子で協力して採集
真剣なまなざしです!
「オタマジャクシゲット!」

にぎやかな採集会の後は、生きもの観察の時間。

最終的にはカエルの他にも、卵を背負ったコオイムシやもうすぐ羽化しそうな赤とんぼのヤゴ、ゲンゴロウやガムシの成虫と幼虫などたくさんの生きものが捕まりました。

生きもの観察会の様子
触ってみるのも観察の醍醐味
たくさん捕れたオタマジャクシ
トノサマガエル
コオイムシ
ガムシの幼虫

あっという間に観察の時間も終わり、最後は今日の活動のまとめ。

生態ピラミッドを使って、田んぼという環境の重要性と生態系について学びました。

生態ピラミッドを使って説明中
親子で熱心に話を聞いてくださいました!

環境の変化などにより田んぼを棲み家とする生きものたちが全国的に減少している現在、みなさんにはぜひ「田んぼはお米だけでなく、多くの生きものたちも育んでいること」を心に留めておいて欲しいと思います。

 

次回の親子で楽しむ☆田んぼプログラムは10月の「稲刈りと秋の生きものしらべ!」

すくすく成長する稲、そして田んぼに棲む生きものたちを見守りながら、次の活動も楽しみにしております。

最後にご参加いただきました皆さまへ、心よりお礼申し上げます。(宮本)